奥平亜美衣さん著『「引き寄せ」の教科書』。
「引き寄せ」というと、
なんとなく最近のスピリチュアルブームを
イメージする人も多いかもしれない。
しかしかつての人々は、
これを当たり前のこととして
生活の中に取り入れていたふしがある。
たとえば、
農耕儀礼の一つとして行われる予祝行事。
「予祝」とは、読んで字のごとく
「あらかじめ祝う」ことである。
世界大百科事典によると、予祝は、
「豊作や多産を祈って、
一年間の農作業や秋の豊作を
模擬実演する呪術行事」
であり、
「あらかじめ期待する結果を模擬的に表現すると、
そのとおりの結果が得られるという
俗信にもとづいて行われる」
という。
まさに「引き寄せ」である。
こうして見てみると、
「引き寄せ」という考え方は
むしろ伝統行事の中に息づいている。
近代化の過程で失われてきた
「目に見えないものに対する感受性」を、
いま多くの人々が潜在的に
取り戻そうとしているのかもしれない。
確かに僕も、
「目に見えないものに対する感受性」
をぜひ取り戻したいと思っている。
しかし一倍怖がりなので、
できれば霊感的なものは
取り戻さない方向でお願いしたい。
見えなくてよいものは
見えなくてよい。
ましてやそういうものを
「引き寄せ」てしまうなど
もってのほかである。
「引き寄せ」の教科書: スッキリわかる!「思考が現実化する」しくみと方法