なんとなく去年の手帳を眺めていたら、
4月22日のところにこんなメモがあった。
「世界が大きく変わるためには、
世界はもっとダメになる必要がある?」
個人でもそうだが、
価値観を大きく変えるためには、
いまの価値観のままでいちど
底を打ってしまうのがいちばんはやい。
このときに大切なのは、
底を打ったときに「生き延びる」ことである。
しかしやっぱり底にいるときは苦しいし、
その時点ではどこが底なのかわからない。
「永久に落下していくんじゃないか」
という恐怖におそわれたりもするが、
そう思ったらたいてい底はもうすぐである。
だからそこをなんとしてでも
「やりすごす」ことが大事である。
生き延びてさえいれば、
黙っていたって必ず潮目は変わる。
目をつぶって、縮こまりながら、
なんにもしなくたっていいから、
とにかくやりすごせばいい。
僕らが何をしようがしまいが、
風は吹くし、季節は変わる。
そのことを知ってさえいれば、
どんな運命も「へぇー」ってなもんである。