生命力と想像力と人間力 | 杉原学の哲学ブログ「独唱しながら読書しろ!」
「未来へのまなざしが欠落している昨今、
 知は機能的な価値をほぼ失っているらしい。
 知とは、短期と長期のバランスをとる作業、
 すなわち私たちの今の行動が
 未来にどうつながり、どんな影響をもたらすか、
 長期的に見通す目を持つことにほかならない」

(アラン・ブリスキン他『集合知の力、衆愚の罠』より)


今この瞬間を生きる生命力と、
永遠をも視野に入れる想像力。

このふたつのちからを、
人間は本来持っているはずである。

ところがぼくたちの生活はといえば、
今という時間をお金のために切り売りし、
未来への想像力もせいぜい「豊かな老後」まで。
ずいぶん立派な文明を築いたものである。

いろんなところで「人間力」という言葉を聞くが、
その内容はといえば、たいてい「声がでかい」とか、
「あつかましい」ぐらいの話である。

人間ってのはそんなせこいもんかねー。