「ミサイルや航空機の
驚異的なスピードによって、
一秒の千分の一でさえ、決定的といえる。
したがって、軍事組織は、
好むと好まざるとにかかわらず、
独裁的でなければならない」
(アメリカ海軍協会『リーダーシップ
[アメリカ海軍士官候補生読本]』)
なかなか説得力のある言葉である。
こういう言葉はぜひ
日常にも生かしていきたいものだ。
もちろん、「独裁的な組織をつくろう!」
ということではない。その反対である。
「独裁的じゃない組織をつくるには
どうすればいいか」
のヒントが、この言葉から
見つけられるように思うのである。
つまりここで言われている
「独裁的であることのメリット」は、
「意思決定の速さ」にある(たぶん)。
だとしたら、それがあまり
求められない環境があれば、
組織はより「独裁的である必要はない」
ということになってくる。
みんながそんなに急がずに、
ぼちぼちやってる感じでも、
なんかしらんけどうまくいってる。
そういうところを目指していくことが、
実は平和への近道なのかもしれない。
そう考えると、例えば農業なんかは、
やっぱり比較的平和な仕事なのだろう。
もちろん仕事は忙しいかもしれないが、
「一秒の千分の一でさえ、決定的といえる」
というようなことはないだろう(笑)。
ここでいう組織は、
村の集落とか、家族になるだろうか。
かつての村の寄り合いなんかは、
多数決などとらずに、全会一致になるまで
ずーっとやってたわけだから、
意思決定の速さなんて全く求めていない。
軍事組織とは対極と言っていいだろう。
こういう視点でいろんな組織や仕事を見てみると、
またちょっと違った面が見えてくるかもしれない。