どんなに大きな災害であっても、
それによって自分の生活が変わらなければ、
時間とともに必ず忘れ去ってゆく。
しかし災害によって毎日の生活や
未来の予定に大きな変化を余儀なくされた人は、
そこになんらかの意味づけをせざるをえない。
そのことによってのみ、
人はこのような大きな災害の経験を、
本当の意味で自分のものにできるのかもしれない。
それは、その後の人生を
震災とともに歩むということでもある。
この歴史的災害の経験を
自分の問題としてとらえるかどうかは、
その人の未来を決定づける要因になり得る。
とはいえ、長い視点で見たならば、
今回の震災から影響を受けずにすむ人は
おそらく一人もいなくなるだろう。
それがよいことなのか悪いことなのかは、
僕たちが決めればよいことである。