自宅と最寄り駅との間に、書道教室がある。
その教室の前には、
生徒たち(小学生)の
作品が貼り出されている。
「あおい海」や「温故知新」など、
だいたい一枚の半紙に四文字の構成である。
ある日、いつものように
その書道教室の前を通りかかると、
次のような作品が飾られていた。
「たかい空」
なんのへんてつもない四文字である。
ところが僕はどうしたことか、
「たかい空」という文字を見て、
「(値段が)たかい空」、
つまり「有料の空」というものを
想像してしまったのである。
これには自分でゾッとした。
「空」を「価格」と結びつけて
イメージしてしまったという、
そのこと自体にショックを受けたのである。
確かに、ひと昔前までは
水が有料で売られることさえ
想像できなかったわけだけど、
「空が有料」はさすがにゴメンだ。
「この地域の空は有料となっておりますので、
会員様以外は空を見上げないようお願いします」
なんて張り紙がされたりして(笑)
ウソみたいな話だが、
資本主義とはそういうことである。
現在の社会構造の延長線上にあるのは、
そういう未来である。
僕がそういうイメージを
持ってしまったということは、
そういう「感覚」をある程度
受け入れてしまっていることを
意味しているのかもしれない。
だからショックだったのである。
これもきっと、東京の狭い空ばかり
見ているせいだろう。
今年は北海道にでも旅行に行くかなー。