今日みたいに寒い、7歳の冬だった。
父の仕事の関係で、小さい頃から和紙が好きだった。
小さい和紙の折り紙が嬉しくて
ちりめん柄と無地のものペアになっているのを
1つ1つ、ばらばらに仕分けした。
『無地は使うけど、ちりめんは取っておこう。』
幼い私なりの、拙い考え。
「ちりめんと無地がセットになっているから価値があるのよ。」
母の言った一言を、20年近くたった今も覚えている。
少しだけ、後悔してたから・・・。
結局、無地も、ちりめんも、仕分けた後使わなかった。
鳩居堂といえば、相続税路線価日本一を維持していることで有名である。
2007年分の路線価は、1㎡当たり2,496万円
少しだけ大人になった私は
銀座の中央通りを、早歩きでブーツの踵を鳴らして歩く
昔のことは、あまり覚えていないけれど
趣のある佇まい。
中に入ると
混んでいる店内に、懐かしいお香のかおりが漂っている。
折り紙を買ってもらった日の
そんな昔の香りの記憶を覚えているはずはない。
懐かしい香りは
10年前に亡くなった祖母のにおい。
店内の雰囲気も、置いてある色とりどりの葉書
折り紙、包装紙・・・・
どことなく祖母に似ていた。
何枚かのカードを買ってお店を出たら
凩が吹いた。
残っている年賀状を仕上げなきゃ。
1人ごとをつぶやいて
12月の銀座の空を見上げた。
どんなカードを買ったのかは・・・・
私と祖母2人だけの秘密にしておこう。
