4月になりましたね。
教室の近くの桜も蕾を膨らませてきました。中には、花を開かせているものも。
仕事も学校も新しい環境、年度になり気持ちも新たにがんばろう
ってだれもが思います。
この季節になると思いだす生徒がいます。
「ケンジ」という男の子です。
ケンジはいよいよ中学3年生。受験生です。
地元の公立のトップ校を目指すケンジとは、2年生から計画を立てて
勉強を始めてきました。
しかし、クラブの練習や友達の多いケンジは、遊びであったりと、
なかなか計画を予定通りに進めることに苦労していました。
3月31日。
自主勉強で教室に来たケンジに勉強の進捗状況を尋ねました。
残念ながら70%とという出来具合でした。
理由を聞くとやはり「クラブが・・・」「友達が・・・」「家では・・・」と
できない理由のオンパレードです。
一通り話を聞き、
では、どうする?と尋ねます。
するとケンジはこう、答えました。
「スーさん、明日は4月1日!僕、明日からがんばるから!!!」
ケンジは悪気はないし、決してサボろうとして
サボっているわけでもなかったのですね。
ただ、考え方、心の持ち方、計画と実行、
そして継続のやり方を間違っていたのです。
私は、ケンジにこう話ました。
「ケンジ、『あしたやろう』は『ばかやろう』っていうんやで。」
「私たちは、常に『今』を生きてるんやで」
「あしたやろうではなくて、『今日から今から、ここからやる』」
「これでないと何事も始まらないよ」
ケンジは真剣に、またハッと何かに気づいたような目で
私の話を聞いていました。
「少しでいい、わずか5分でもいいから、今日家に帰ったら予定の勉強をしなさい。」
「テキストを開くだけでもいい。」
「ただ、なにもしないっていうのは絶対にやめよう」
「この何もしない(0)と何かはやった(1)の、0と1は大きな違いなんやで」
この日、この時を境にケンジの勉強の姿勢が変わります。
もちろん波があり、好不調もありましたが、
最後は、自分の志望校に合格することができました。
禅に次のような言葉があります。
「即今只今(そっこんただいま)」
今できることは今やる。やるべきことは即、今やる。この連続なのでしょう。
私たちが生きているのは常に「今」「ここ」なのですから
「受験勉強」から学ぶことはたくさんあるようです。