❤︎教科書が読めていない
"子どもたちは教科書が読めていなかった"
というショッキングな現実があります。
高校生の半数が
教科書の記述が理解できず、
中学卒業段階で
約3割が表層的な読解も
できないということでした。
❤︎読解をつける一般的な対策
一般的には
次のような3つの対策が取られます。
❶国語の問題集を解く
文章を子ども自身が読み、解答します。
その後自分で解説を読んでも、
解説をしてもらっても、
そもそも文章がしっかり読めていないため、
解説に書かれていることの意味が理解できません。
その結果、
「言いたいことは段落の最後に書いてある」
「選択肢は消去法でやる」
というようなテクニックで解くことを覚えます。
❷読書をさせる
読書は、
読解力のみならず、知識や語彙が増え、
とてもよいことです。
しかし、
そもそも文章が読めない子に
読書させること自体、
酷なことです。
それは、
嫌いな食べ物を
「食べなさい!」と言って
無理やり口に入れているような状態です。
ますます読書が嫌いになります。
❸語彙を増やす
語彙数が多ければ
それだけ言葉の意味がわかるため、
読解ができる可能性は高くなると思われがちです。
しかし、
英単語を学んだだけでは
英文が読解できないのと同じように、
語彙を知っていても
読解に活用できないことがよくあります。
❤︎"読む"ことが対策の中心に
これら3つの方法の問題点は、
いずれも
"読む"ことを対策の中心にしまっていることにあります。
この「読む」という作業を
子どもにやらせているうちは、
読解力がつかないということなのです。
なぜならば、
読解力がない子どもたちは、
"文章を字面だけで見ている"からです。
❤︎見ているだけで実際は“読んで”ない
つまり、
見ているだけで、、
実は読んでいないのです。
はたからは
読んでいる姿が見えるだけです。
実際は内容がよくわかっていないにもかからず、
その状態で次々と文章が展開されるのですから、
問題が解けるわけがありません。
このような状態ですから、
他教科も同様に
教科書に書いている意味を
理解していない可能性も高いのです。
❤︎読めない理由
では、
どうすればよいでしょうか。
"読む"ことに問題があるのですから、
"読まなければよい"のです。
人間は、
生まれてから"聞く→話す→読む(書く)"
という順でスキルを獲得してきました。
しかし、
学校では読む、書くという
高度なスキルをいきなり要求されるため、
聞くスキルが成熟していない場合、
本を読んでも理解できず、
問題文を読んでも理解ができないのです。
これが、
読めない理由です。
❤︎読解力は"読み聞かせ"から始める
そこで読解力をつけるための手段としては、
この最初のスキルから順からやることです。
具体的には
"読み聞かせ"です。
聞く、話すというスキルは、
読む、書くスキルに比べ、
赤ちゃんの頃から始まり、
発達しているからです。
❤︎国語の問題の読み聞かせのやり方
文章には、
説明文型と物語型のがありますが進め方は同じです。
❶読み聞かせをする
文章を丁寧に読んであげます。
イメージとしては
「絵本の読み聞かせ」と同じ要領です。
❷途中、問いかけをする
「あなたならどうする?」
「どうしてこんなこと書いてあるのかな?」
という問いかけをします。
文章の内容の問いをすることで、
子どもは文章の内容に興味を持ちます。
❸設問になったらその都度解く
設問も子どもに問いかけるように親が読みます。
選択肢の場合は、
選択肢も読み上げます。
そしてクイズ的に行います。
1回の問いかけでできなければ
ヒントを言います。
記述の場合は、
一言で「語らせます」。
そして「もう少し説明するとどうなる?」
と聞き、
それをメモさせておきます。
そのメモを見ながら
最終的に文を書くようにします。
❤︎対話形式すると、読解できる
自分で読むとわかりませんが、
人に読んでもらったり、
人から問われると
意味がわかり、読解できるようになります。
❤︎子ども自身でできるように導く
そして最後に大切なことは、
これらの作業を子ども自身で、
ひとりでできるように導くことです。
段階的に子どもが自分で読んで自分で答えられるように、
例えば、
第1段落は親が読み、
第2段落は子どもが自分で読む。
設問も、
交互に読みあげながら、解いていく
このように、
徐々に子ども自身にスライドさせていきます。
❤︎まとめ。国語の苦手は、"聞く・話す"に戻る
読みが苦手なのに、"読む"を強いても読む力は伸びません。
読み聞かせで読む
対話形式の問いかけをして、
"聞く""話す"を重視することにより、
読む力が身についてきます。
"口頭問答"をやることにより、
わからない文がわかるようになり、
解けなかった問題が解けるようになります。