子どもの絵から「らしさ」が消えた日
皆さまこんにちは!まなびのいっぽ通信教育の髙橋です。記録的な温かさから、やっと少しずつ秋らしさを感じられる日々になってまいりました。とはいえ、お受験上では秋は11月まで。親の気持ちとしては、11月中に秋らしい季節感を詰め込みたいというある種の焦りもあったりしますよね。先ずは最低限、お受験に頻出の秋の歌・草花・食べ物・行事を生活に!歌はお風呂で歌って…。食事にも1日1点ずつ秋らしいものを。食事中の会話で食材に触れればよし。花は買ってリビングに飾ればよし。子供は自然に興味を持ちますし、親に質問してくるものです。一緒に図鑑で確認して、絵画や制作をしましょう。さて、今回はお受験絵画のお話です。このように日々の絵画練習において、まじめで意欲的なお母様におかれましては、しばしばヤリスギと言いますか…。びしーっ!と①構図/バランス②下書き③縁どり④色塗り⑤背景⑥奥行なんかをこまかく指示して手取り足取り描かせてしまいます。良かれと思ってご指導されるその過程において、実は「らしさ」という大きなお子様の武器を台無しにしてしまうかもしれない、というお話です。…‥………………………これは、とあるA君とそのお母様のお話。A君は色彩豊かで大きく元気な絵を描く力強い男の子。塾や幼稚園でも頻繁にお褒めの言葉を貰っていました。「お受験絵画でも武器になるかも!」とお母様も意気揚々としていらっしゃいました。勉強熱心なお母様は、お受験絵画の基礎知識を学び始めます。ある時、『元気な海』をテーマに、絵画制作の宿題が出ました。エコでクリーンな社会と共に在る生態系豊かで生き生きとした海を描くというものです。お母様とお子様は、どんな海が『元気な海』なのか話し合います。綺麗な海にしか生息しない生き物も調べ、知識をいっぱい詰め込んで、下書きに入りました。お子様の下書きを見ながらお母様は「大きさが違う」「色が違う」と全てにおいて指示をしていきます。画材や技法も今まで習ったものを駆使して…。…しあがった絵を見てみると…。元気さゼロ!個性ゼロ!お子様の言葉での説明ゼロ!誰の絵ですかね?…そう、お母様の絵ですよ。子どもの手を使ってお母様が描いた絵です。教育者が見れば、誰の絵か分かりますからね…。しかもその構図って…幼児さんが構成できる構図では絶対ありませんよ。発達的に!ご留意くださいね…。しかも、そうやって親…特に母親から矯正&強制された事って、中々もとに戻らないんです。A君の描く絵は、その後なかなか『らしさ』が戻らなかったという事です。ここのA君は、少し前の私の息子。ここの母親は、そう、わたしです。息子には、本当に申し訳ないことをしてしまったと、猛省しています。月日が流れても、この時の記憶は鮮明に焼き付いて頭から離れません。…‥………………………さて、ここで大切なお知らせです。お受験絵画で小学校が求めているのは、大人の描くような上手な絵ではありません。年齢相応の発達度合い・想像力・創造力・感性・発信力・コミュニケーション能力が主なポイントです。学校側も、どんなに見るつもりがなくても、そんな矯正されまくった絵を見れば、どんなご家庭でどんな教育を受けているか、見えてしまいますよね…。本当に恐ろしいことでございます。そして、誰よりも耳の痛い私の話でもあります。一緒に気をつけてやっていきましょうね。