お迎えを待つおばあちゃんとの電話 | 東大卒の理系夫婦-マレーシア移住-共働き-5歳7歳男子の2歳差育児中。

東大卒の理系夫婦-マレーシア移住-共働き-5歳7歳男子の2歳差育児中。

東大卒夫婦のちゃこです。教育業界勤務。マレーシア移住検討中。

東大に入るまでのこと、我が家の育児方針、知育、子育て支援、ママ支援、ストレングス・ファインダー、オンライン勉強会に関することなど発信します。

おばあちゃんと電話しました。


先日、手術をして、なんとか退院して家で過ごしているおばあちゃん。



おととい、おばあちゃんから電話があって
今年のお正月は、うちでは集まれないよ、と。


子どもが生まれてからは毎年お正月におばあちゃんの家に私たち家族、兄家族、叔父家族が集まってお寿司を食べていました。

兄のところも叔父のところも未就学児ばかりなので
わちゃわちゃ賑やかに
買っている犬も一緒に遊ぶのが恒例となっていました。





おばあちゃんは、家にいてもほとんど寝ているだけで
コーンポタージュやゼリーなど飲み込みやすいものを
少しだけ食べている程度だそう。




もうこればっかりは、いつお迎えが来るかわからないからねぇ

子どもがいると疲れちゃうから、ちゃこだけで会いに来てくれて良いからね

夫くん、病気は大丈夫?なにせ、夫くんが一番大事だからね
良い病院に行って、ちゃんと検査してもらうんだよ






話していたら泣きそうで、でも泣かないように必死にこらえて明るく振る舞おうとした、おととい。





でも、このままおばあちゃんが死んじゃったら、と考えたらどうしても後悔しそうで
さっき、私からおばあちゃんに電話しました。






泣きながら


おばあちゃんが死んじゃうって思ったら寂しいの。

小学生のとき、お母さんは忙しかったから、おばあちゃんのところでいっぱい遊んだよね。
楽しかったんだ。
ありがとう。

トランプしたり
蒸かし芋作ってくれたり
一緒にお相撲見たり
畑で取れた野菜の泥を取ったり

おばあちゃんがいて楽しかったんだ。

ありがとう。


だから、おばあちゃんに会えなくなっちゃうと思うと寂しいんだ。







泣きじゃくる私に
おばあちゃんは

そう

と相槌を打ちながらアッハッハと笑っていました。




そうだったなぁ。
私が泣いて困ってるとき、おばあちゃんはよく笑ってたなって思い出しました。






おばあちゃんは




もう思い残すことは何にもないからねぇ


なんのアレもない


いつお迎えが来てもいいんだけど、こればっかりはねぇ


水分は取れるんだけど、飲まなければ良いのかねぇ

三途の河っていうの?どうやって渡るのか


みんなよく育って、全然思い残すことはないのよ


あなたは9ヶ月でうちに来たから、よく懐いてねぇ
本当に良い子だったからねぇ





おばあちゃん、死んじゃうの怖くないの?


と聞くと


怖くないのよ
思い残すことは何にもないから



今はトイレも自分で行けるしねぇ

このまま、あんまり迷惑かけずにいきたいんだけどねぇ




おばあちゃんに会えなくなっちゃうの、寂しいんだ


と泣く私に


こればっかりは順番だから。
アッハッハ。



と。








戦争を体験し
専業主婦として3人の子を育て
孫が4人、ひ孫も4人。


乳がんになったり
歳をとったからはあちこち手術もして
一時は認知症も発症しましたが


ピアノをひいたり
犬の散歩に行ったり
テレビを見たり
と穏やかに過ごしていたようです。





少し前まで

自分の人生で何か誇れるものが欲しい
何かを成し遂げたと思いたい
社会の役に立ったという実感が欲しい
成長実感が欲しい

と強く思っていたのですが


仕事を休み、自分と向き合い、母と向き合い、幾人かの人と会い、読者をする中で



別に、何かを成し遂げなくても、成長し続けなくても、平凡で退屈な人生を否定する必要はないんだなぁ


という心境の変化があり





おばあちゃんと話していて
お迎えを待つ今、思い残すことが何もないと言い切れる人生は素晴らしいな、と。






あと、何回会えるのかわからないけど

おばあちゃんに、ちゃんと「ありがとう」を伝えられた電話でした。