何も解決していない福島(その2)なぜ避難勧奨にならない
私たちは翌日、福島市渡利地区(福島県庁から1~2キロの地区)に暮らす裏澤利夫さん(77)のお宅を訪ねました。裏澤さんのお宅から異常に高い放射線量が出たと聞いたからです。裏澤さんは予定があったのもかかわらず。私たちの訪問を快く受け入れ説明してくれました。私たちが持っていった線量計では、庭の空間線量が2マイクロシーベルト、かなり除染したという木の下でも7マイクロシーベルトありました。裏澤さんによると高いときは50マイクロシーベルトや70マイクロシーベルトの時もあったとか。これはもう想像を絶する異常な高さです(静岡の500倍~700倍の高さです)。福島原発から裏澤さん宅までは原発から60キロほど離れています。この距離で50を超えるというのは信じられない高さだし、ホットスポットの実態を実感した思いでした。裏澤さんは、この異常な放射線量のため息子さん夫妻とお孫さんを線量が低い親戚の家に避難させたということです。問題はそれだけではありません。この裏澤さんの庭は「特定避難勧奨地点」の指定基準を大幅に上回っていますが、福島市が消極的なためこの指定を受けられないままになっているのです。そのため、指定されれば受けられるはずの行政支援が何も受けられないということなのです。子どもや孫と切り離された生活を余儀なくされ、それに対して支援すら受けられない。裏澤さんの気持ちを察するとやりきれないものがありますし、行政の不備に怒りを感じます。原発爆発事故による放射線の拡散がいかに広範囲であったか、それは1年以上たった今でも何も解決していないのです。(つづく)