またしても | 亀岡、子どもたちの論理力、読解力、表現力、英語力、コミュニケーション力を鍛える「まなびプロジェクト」

生徒に教えられました。
今日は金曜恒例の「読書表現」の授業だったのですが...。




生徒が学校の野外活動でひとりいなかったので、大人3人に子ども2人...。
子どものほうが少ない状況で授業がスタートしました。




内容は引き続き、宮沢賢治の『注文の多い料理店』
先週は主人公たちの人物像をみんなで読み合いました。




今週はもう一度最初から読み直して、疑問思ったところをあげていきました。





登場人物の「ふたりの若い紳士」のやりとり(犬が死んだあとの会話)

 

 「じつにぼくは二千四百円の損害だ。」とひとりの紳士が、その犬のまぶたを、ちょっとかえしてみていいました。
 「ぼくは二千八百円の損害だ。」と、もひとりが、くやしそうに、あたまをまげていいました。
 はじめの紳士は、すこし顔いろを悪くして、じっと、もひとりの紳士の、顔つきを見ながらいいました。




僕はこの部分を何気なく読み飛ばしていたのですが
先生が「ここ何か疑問に思うことない?」と聞くと
小学生はこう言いました




「なんではじめの(紳士の)ほうが400円安いん?」




確かに、それはそうやけど...何か意味あんの?
とか思ったんですが




二人の性格も踏まえて考えていくと、意味は確かにあったんです。




なんで犬が死んだときにお金の話をするのか?
なんではじめの紳士はすこし顔いろを悪くするのか?




ここを読みこんでいくと、このふたりの描写は
ふたりの関係性を表す上でとても意味のある部分だったのです。




またしても、宮沢賢治の緻密さに驚かされました。
そしてまたしても、子どもから400円の差に敏感になる感受性の豊かさを教わりました。