父が亡くなる前のイビキは 脳卒中特有のものでした。

母は「早く呼んでしまって、なまじっか命が助かると予後が悪いから」と

冷静に身支度を整えて、20分以上経ってから救急車を呼びました。

後で後悔しない様、私は母を急かしたのですが

父の介護をするのは母ですし、もう経済的・肉体的限界が来ているのかも知れず

母自身の判断にゆだねました。

 

救急車で病院へ向かい、蘇生しましたが叶わず、

救急車に乗った時点で心肺停止が確認されていたので

医師に死亡証明書は書いてもらえず、遺体を自宅に戻されました。

そうしたケースは他殺でないことを確認するため、警察が来て検死をします。

 

 

 

父は朝に亡くなって、夜にはもう肉体から出て浮遊していました。

重病や障害者などで肉体生活が辛い方は

死後、肉体から抜けるのが早いのですよね。

(戦争や天災等で人生を全うできなかった方は

 次の生まれ変わりまでのスパンが早くなるという優待ポイントもあります)

 

父の霊体を感知しているのが私だけのようで

四六時中私の額の上辺りを着けまわします。

「やめて!」と伝えても 私の気を引きたくて

押入れを開ける時、3㎜程の尖った木くずが降って来て目に入り(激痛)

どうしても自分に関心を持って欲しいと強くアピールしてきます。

(眼球の皮がめくれるような怪我をして、むしろ寒心(ぞっとする)でしたガーン

 

 

 

7日目の朝7:00キッカリに

耳元でこの世の音ではない美しい鈴(りん)の音色がチリ~ンと鳴り、「還るよ」と。

(ソの音だと思います)

家族3人朝の身支度でバラバラの場所に居たのですが

急に集まって「今、お父さん還るよって…!」同時に聴いていたようです。

49日まで霊体として現世に留まる方も居ます。

死に支度が出来て未練がないと早いかもしれませんね。

 

きちんとあの世に還ると 暫く

現世とあの世の違いを理解したり、

今回の人生での魂の課題の振り返りなどオリエンテーションがあります。

 

父は早く還ったので

49日頃にはそうしたあの世研修が終わり

行き場が決まって落ち着くと

私が夜寝ると 夢で父が待っているようになりました。

 

 

 

父は 白黒の世界で

寂れた雑木林の中の庵でひとり暮らしをしていました。

「思ってたのと違う!!」

 

 

 

若い頃、祖父の後妻の連れ子が家のお金を\1000抜いて使ってしまった。

継祖母は我が子がやったことを薄々知っていたけれど

父を憎く思っていたので、父を犯人に仕立て上げ

家族の全員の前でこれ見よがしに父をなじりました。

連れ子が盗ったことを知っていた父は

「バレたらあの子は家に居られなくなる」と

自分が罪をかぶって、鉄くず回収などで得た貴重なお金を渡します。

(当時の\1,000は現在の物価でいう\20,000位でしょうか)

 

当時 複雑な家庭だったので自分は善意だと思って連れ子を守った。

けれど悪を助長させてしまうだけだった。

誰からも感謝されず、お金を失い、蔑まされる対象となり、誰も幸せにならない。

 

 

 

亡くなって未練を残さずあの世へ旅立つことを「成仏」と言いますが

肉体を脱ぎ、あの世に還れば

誰しも仏陀のように悟り、仏になる訳ではないのですね。

 

この世で生きていた時の 固定観念や独りよがりの頑固な思い込みは多少解けて

第三者的な観点で理解が進む面はあります。

観念が解けて、今まで習得された個体の霊性に戻るようです。

 

 

 

そして 父が何よりも後悔していたのは

私との親子関係だったのです。

自分は愛薄い生育環境に育ち、いじめられ、

長じて逆の立場になった時、どうするか?

 

他人に愛を投げかけることはできるか?

自分より弱い立場の存在を虐げず、愛を持って接することができるか?

これが父の今世の魂計画の最大の課題であったのです。

 

一番重要な課題をやりそこなった!

私が娘という立場で「愛を知る」という機会は千歳一隅の大チャンスだった!

「お願いだ、来世も同じ組み合わせでもう一度やり直させてくれ!」

毎晩 夢で懇願に来るのです。

 

 

 

父の死は悲しいですが 正直私は

「虐待がやっと終わった」と 自由を得た部分もあったのです。

(不謹慎で申し訳ございません)

毎晩丁重にお断りして

その数年後にある所で供養をしていただきました。

(彷徨う霊をあの世へ還す供養ではなく、あの世学校に進学させてもらえるコース。

 後日、霊界での門戸を開いてもらえたとお礼を言われました)

 

生前この世ではまったく気づかないのですが

あの世に還って 自分の人生計画をふりかえると

魂の進化に関わる損失が 一番取って変えられない後悔となるのですね。

 

 

 

次回は 父がなぜ今世このような人生計画を設定したか?

カルマとは何か?についてのお話になります。