非公開ブログからの転載で、ドレスの製作記録を載せていこうと思います。

気に入っていた思い入れの強いドレスや、製作の転機になったドレスについてです。

今はやってないことも沢山ありますか、つたないながらその時は精一杯やったんだなと、ゆるく見ていただければ幸いです。

 

注)ローブ・ア・ラングレーズ風ドレスとの『』が付いている物は、現代のパターンを使っており、ヒストリカルドレスのパターンとは違います。

このことは私の作品作りにおいて、非常に重要に考えてます。

 

  赤地パールと薔薇柄ローブ・ア・ラングレーズ風ドレス制作

 

このドレスは、数年前に裁断したまま放置していた生地が、出てきたところから始まりました。
いや、何度も見てはそのたびまた収納していた生地というのが正しいかな。
生地は年代物のインゲボルグのスカートだったモノ、ポリエステルで厚みが有り、深い色合いのプリントです。



取りかかりは、久しぶりにドレス縫うし、まぁリハビリかなぁ自分用にぼちぼち行きましょ、でした。






作り出しはじめて、何か素材に引っ張り出されるような感覚と、Twitter方面から関心をいただけて、
あれ?このドレスは、リハビリじゃ無いなと。
本気出して、行けるところまで行くドレスなのか?

行くか、リミッター(素材予算)気にせず、やりたいように作ろう。

この写真を撮った頃は、スカートをミニ丈にしようかなぁ~
と思ってましたが、ガチ(フルレングス)で行くしか無かったでしょうね。
ミニ丈は気の迷い…。



前面のブレード、胸当てのピエス・デストマ(ストマッガーともいう)にビーズ刺繍。
ビエス・ディストマの刺繍左右非対象(汗)
ビーズ刺繍自体は好きだ。
何時までもやっていたいくらい。

このあたりからモデルのちとせ(F-54、13SDL胸)に着てもらう。
ちとせの表情が、ドレスの出来上がりにつれて、変っていくのは気のせい?


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なんか怖い画像ですが、ブレードの刺繍がくっきりしていたから採用。
袖レースつきました。
袖パーツは、布3枚レース2枚の5パーツとリボンで構成しています。
ヒストリカル寄りの袖です。


スカートも、刺繍がんばりました。
とにかくパールです!
レースと刺繍、見えないところまで刺繍したのでもったいないかなぁー
この時点で、造花はピンで仮つけです。
大体の形が出来上がりました。

 

ここまで作って、あれ?スカートのデコレーションがあまり見えない…。
ということでパニエをどうするか。
このスカートの型紙は、ロココ、クリノリン、バッスルっぽいライン展開が出来るのですが、このドレスには仕掛けを作ってないのでバッスルはダメ。
下の1枚目が、ハードチュールパニエだけのクリノリン風。
2枚目が、ハードチュールパニエ+ボーン入り俵を上から見たような横張パニエ。
横張パニエは、過去に作ったストック品です。
当時単独で使ったら、動いて位置決めが難しかったんですが、今回上からチュールで押さえて良い感じに。
アンケート結果で、両方つけることにしました。
スカートラインが、ちょっとツーウェイです♪
スカートのリボンは仮付け。

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横から見ると、楕円なのがお分かりいただけるかと、ロココ前後はやや薄いんです。



ティアラ作る頃、ドレス作りに疲れてて、かまって状態で見苦しかったなぁと思いつつ、Twitterで暖かさをいただいて、一気に作りました。

時代考証的には、ロココ時代にティアラ使われていないと思います。
あれは、エンパイアドレス頃からで、ほかは古代ギリシャローマ?
あいまい不勉強です。
とにかく、ロココの盛り髪とティアラの相性が悪いのは私でもわかります。
ですが私は好きなので、ティアラをつけます。
メルヘンロココと言うことで、緩く見て下さい。
ヒストリカル目指して、目指しきれないwww

ティアラは作りが頑丈で、カチューシャタイプの簡単装着です。
後ろまできれいに出来たと思います。
これに使った赤色スワロフスキー、シャム、ライトシャム、ルビー、スカーレットの4色!
微妙な色合いにしたかったので、満足です。

チョーカーは、サテンリボンの上に、ギャザーを寄せたリバーレースを縫い付け、ビーズで刺繍しました。
ドレスのパールと同じようなデザインで、統一感を持たせました。

羽根飾りは、コームで髪に挿すタイプです。
リボンはスカートと同じもの。



スカートには、薔薇と袖とリボンをそろえて縫い付けました。
薔薇とリボンは、厚みがあるため力仕事でした。



以上で完成です。
デザインを考えながらのんびり作りましたので、1ヶ月近くかかってしまいました。
このドレスは、生地の美しさに引っ張られるように、ドレスを形作り、デコレーションし、アクセサリーを合わせて作りました。
ちょっと違うかもしれませんが、『彫刻家(工芸職人?)が丸太を見てそれが醸し出す形を彫る』みたいな感覚になったドレスでした。
最初から最後まで、インゲボルグのプリント凄かったです。


サイズについて
SDGrの着用につきましては、ラインが美しくありませんでした。
このドレスの対象サイズは、13SD女の子です。
ロココドレスは、Grと13SDとSDは分けて作るようにしたいと思います。
 

 

  3年数ヶ月経って

素材の素晴らしさによって、やる気を引き出してもらえたドレスでした。

プリントのパール柄とビーズ刺繍をリンクさせたり、ビーズ刺繍が楽しかったです。

パターンはまだ模索状態だったけど、今でもとても好きなドレスです。

素敵な方にお迎えいただきました。