私の姉は、3年前に死にました。なんの予兆もなく、眠るように死にました。とても偉大な人でした。

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「飛鳥、何してるの?」大好きな優しい声。
「お姉ちゃん、、、」優しく背中をさすってくれる。「大丈夫、大丈夫。」優しい声。優しい笑顔。「やめてよ、」耐えきれなくて顔を俯かせる。大丈夫。その言葉が何度も響く。
「飛鳥には、私がついてるから。」
少し、声が震えていた。いつも強い姿を私に示してくれる姉の、弱々しい姿を、初めて見た。それでも私の前では強くあろうとする姉を、虚しく思った。そして、そうさせてしまう自分を、消したいと思った。
この日は確か、母が死んだ日。たった1人で私達を育ててくれた優しい母。忙しくても豪快に笑って、辛さを吹き飛ばしていた。
私達を優しく包んでくれたその腕は、曲がってはいけない方向を向いていた。顔は潰れて、赤く歪んでいた。これ以上は見るなと、姉が私の目を塞いだ。その手がぶるぶると震えていた。母は、通り魔に襲われて、とても高い橋の上から突き落とされたらしい。その下は道路だった、、、
涙が出ないほど衝撃的で、受け入れられない現実。
その日、私は母と喧嘩していた。母の誕生日だった。友達と喧嘩して、もやもやしていた私。そんな時に、いつもポジティブで楽観的な母を、鬱陶しく思った。それから、私のおやつを母が食べてしまっていたこと。
これらが重なって、母にストレスをぶつけた。無意識にきっかけを待っていたのだろう。それでも母は、笑っていた。「ごめんねぇ、ちゃんと名前確認してなくて、、、後で買ってくるからね。」
力ない声で、笑いながら言う母。
最低だ私。今思うと、すごく悔しい。母が死んだ時に持っていたものがある。それは、私のおやつと、私が前から欲しがってたイヤリング。
この日は母の誕生日だった、、、
姉の奈々未は、私のことを責めたりはしなかった。けれどきっと、心のどこかでとてもやるせなかったと思う。全ては、奈々未が母の誕生日ケーキを買いに行っている時の出来事だった。
それから2年がたったある日、奈々未は、なかなか起きてこなかった。
「お姉ちゃん、いるんでしょ?」
すごく不安だった。もしかして、と思った。
奈々未は、二度と起きてこなかった。
1人にしないで、、、
3人で暮らすには小さな家ね、と笑った母が、大好きだったこの家。2人で住むようになってからも、相変わらず狭いねと笑った奈々未。
1人でここにいると、物凄く広く感じた。
もし、時間が巻き戻せるなら、私は、母の死んだあの日の朝に戻りたい。母と喧嘩なんかしないように、母を死なせないように。それから私も沢山お手伝いをする。奈々未を病院に連れてって、それからなんであの時あんなに元気だった奈々未が突然死んだのか、原因を突き止めて貰う。
それからずっと、3人で、小さな家に、暮らし、続けられる、、、ぼたぼたと止まらない涙。うわーと、声を出して泣いた。もしも、時間が巻き戻せるなら、、、私は、、、