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エリザベス女王が崩御されましたね。
本来継ぐ筈ではなかった国家元首という立場を若くして引き継ぎ、最期まで全うした女性。
就任時やコロナ禍など、重要な局面で自らの信念を伝え、人々を安心させ、共感を得ることができるスピーチ力。
ダイアナ妃騒動の際、世論を読み間違えたときに発揮した、素早い軌道修正力。
007やパディントンとの共演をこなす、ユーモアのセンス。
人々が、群衆の中から自分を見つけやすいようにという配慮から生まれた、カラフルかつ、洗練されたファッション。
きりりとした美貌。
葬儀を機に、君主制の是非についても話題となっていますが、それらを別として、リーダーに必要な資質を備えた、魅力溢れる女性だったと感じます。
イギリスらしい本として思い当たったのが、この『旅の絵本 Ⅲ』。
安野光雅さんといえば、数学を親しみやすく描いた『はじめてであうすうがくの絵本』をはじめ、錯覚を扱った『ふしぎな え』など、様々なテーマの絵本が数多く出版されています。
『旅の絵本』シリーズは、各国の文化や歴史が散りばめられています。
イギリス編では、様々な地方を訪ねながら、くまのプーさんや不思議の国のアリス・メリーポピンズといった、絵本の登場人物がさりげなく隠れていて、見つける楽しみで溢れています。
文章は一行もなく、読む側の想像力に任せられています。
そういった目的で描かれた訳ではないと思いますが、表紙のユニオンジャックが、連邦の独立問題なども含め、今後の行く末を静かに見守っているようにさえ感じます。