NHKBSで放映中のテレビシリーズ、中でも好きなエピソードです。
トリックは、横領罪から逃れてライバルを犯人に仕立てあげるための、自作自演の失踪。
ライバルを自宅に呼びつけておき、自ら自宅金庫を破壊し財産を手にしてから、行方をくらませます。
警察からすると、ライバルには動機もあり、財産はなくなっており、ライバルが疑われます。
自分は浮浪者に化け、わざと警察に捕まります。
さらに自分の指輪をわざと発見させ、これをライバルが捨てるところを見たと、ウソの証言。
ライバルを陥れるためのニセの証人役を、自ら演じている訳です。
手の込んだ計画的犯行でしたが、ポワロさんの推理により、奥さんに面通しさせられたのが運のつき。流石に奥さんは目の前の浮浪者が自分の夫だと気付きますからね。
逃げ出そうとした所を捕まり、ポワロさんによる「ご紹介します、彼が失踪したダベンハイム氏です」という幕切れがドラマチックです。
犯人が金庫を破壊する際、音をごまかすためにクラシック音楽を大音量で流していたことを「偉大なる作曲家チャイコフスキーを共犯にして」と表現したり、この回のポワロさんは中々キザですね(いつもか?)。
②コメディパート
ジャップ警部と「安楽椅子探偵のように、部屋から出ずに事件を解決できるか」という賭けをしたため、インドア生活を強いられるポワロさん。
ありあまる時間を費やすために、手品の勉強・料理・トランプタワー作成・オウムのしつけ等、おちゃめなポワロさんが楽しめます。
代わりに動くのがヘイスティングス大尉。
「人の家でこっそり金庫を壊してこい」「夫婦の寝室が別々か聞いてこい」「洗面台に置いてあるものを確かめてこい」等々…。
ダベンハイム夫人からは、さぞ不審人物と思われたことでしょう。