一年生は一年生なりに大変だ。
中学校入ってすぐの実力テスト。そして部活。
秋穂はバスケ、夏芽は吹奏楽、春斗は弓道、冬季はサッカーとそれぞれ部活はバラバラになった。
そしてバタバタしていた一年生がやっと休めるイベントがやってくる。
それはオリエンテーション・・・・・・・。
入学してからすでに一ヶ月、もう5月になっていた。                                                                    
「では、オリエンテーションでやる肝試しの男女ペアをくじ引きで決めたいと思いまーす!!」と秋穂はクラスの人に聞こえるように言った。
前に立っているのは秋穂と夏芽。そして春斗と冬季、学級三役の中の4人である。
秋穂は春斗の恋を手伝うことになっていた。
そのため春斗と夏芽がペアになれるようにしくんでいる。                            
「では、前から順番に引いていってもらいます。」と春斗は言った。
教室は騒がしくなりながらくじを引いていた。でも、ペア発表は当日になる。
周りの人からみれば秋穂は何もなかったように笑っているように見えた。                                     
冬季を除けば・・・・・。                                                                                           
「あっ!!ごめん!私忘れ物したから先帰ってて!!」放課後が終わって部活も終わった帰り道、
秋穂は我ながら演技下手だなーと思いながら言った。               

「取ってくるね。」                                           
「ついていこうか?」と夏芽訊ねた。                                
「いいよ。先に帰ってて」と微笑んで3人と別れた。                       
その会話の中冬季はずっと黙っていた。                                                                                 
「ふー・・・・・・」秋穂は家に近い公園にいた。
今帰ろうと思うと必ずといっていいほど3人と会うのだ。                                                
(どうしよう・・・・・夏芽にいつ言おう・・・)春斗は必ず告白するだろう。
だと秋穂は夏芽に言わなくてはいけないことがある。
そんなことを考えている秋穂の後ろに人が立っていた。