中学校の入学式は正直に言うとつまらないものだ、と秋穂は思った。
とてもつまらなかったのか、それとも寝不足なのかわからないが、冬季は完璧にねていた。
それに引き換え春斗と夏芽はマジメに話を聞いていた。それが終わったあと、クラス発表があった。その中で4人は愕然とした。偶然なのか必然なのかわからないが、とにかく4人はみんな同じクラスになった。
「自分で言うのもなんだけど・・・・・・・」と秋穂がきりだした。                   
「どうしたの?秋穂」と、夏芽は首を傾けた。春斗は振り向き、冬季は耳だけ傾けている。
「なんていうか・・・・・・私たちって目立ってない?」と秋穂はいった。夏芽と春斗は級長になった。しかし、それだけではなく、秋穂や冬季は書記になった。この4人は立候補したわけではなく、推薦されたのだ。夏芽と春斗は頭がいい。それに対して秋穂と冬季はそこまでいいわけじゃないが、正義感が強いのである。                              
「お前がぎゃーぎゃーうるさいからじゃねーの?俺たちにまでその被害がくるじゃねーか・・・」と冬季はため息をついた。                                      
「うるさいな!!!そこまでいうことないでしょ?」と冬季と秋穂はけんかし始めた。
その2人のやりとりを夏芽と春斗は苦笑して見ていた。そして、春斗はある決意を固めた。     
(・・・・よし・・・、言おう。秋穂に・・・・・)                                                                                                                                      
次の日、いつも通り4人は登校した。学校についた後、荷物を片付けた秋穂は夏芽の席へ行こうとした時、                                          
「ひゃっ!!」と、声を上げた。不意に肩に手が置かれたからだ。                
「ごめん、ごめん。」そういって苦笑したのは春斗だった。                     
「お願いがあるんだけど、いいかな?」                               
「いいよ。何?」秋穂は首を傾げた。                               
「放課後に図書室に来てくれないかな?話があるんだ」                    

秋穂は驚いた。もしかしたら・・・。と。                               
「うん、いいよ。んじゃあ、放課後ね!!」                            
そういって秋穂は歩き出した。                                   
早く放課後になるのを願いながら。