【コロナ期に、母ロスに来たる】
近年は祖母や父の看病もあり、ロスにはまだ一度も訪れたことのなかった母が、
一昨年祖母を見送り、昨年父も見送り、
今回ようやく、遊びに来てくれることになりました。
当初は母を元気付ける意味もあり、
普段、子供らの頑張りを、生で見てもらいたい思いもあり、
イベント盛りだくさんのこの時期を狙って滞在計画を立てていたのだけど、
この、突然のコロナ禍。
世間がどんどん騒ぎ出している頃の渡米は、
大丈夫か?と、親戚からも問い合わせも結構多かったようです。
時期が時期だけに、今回は見送るわね.. と言ってくるだろうと、どこかで諦めていたくらいだから、母が「大丈夫。行くから!」と力強く答えてくれた時には、ちょっと驚きでした。
たぶんね、どちらかというと、いつもは皆んなとの調和や安全を第一に考える母ですから、これが自分の遊びだったのなら、今回の渡米は見送ってたことと思います。
でも、たぶん、今回は、
先日娘が診断を受けたこと(ADD:注意欠陥障害)と、連日荒れている我が家の様子が耳に入っていたことなどから諸々心配し、なんとか力になれないか..と覚悟決め、周りを説得し、来ることを決めてくれたんだろうと思います。
例年ならこの時期は、長女の学校のコンサートにリサイタルに、次女の体操の試合にと本当に盛りだくさんのはずで、その合間には近くの海へホェールウォッチングだ何だと連れ出そうと、忙しく予定を詰め込み楽しみにしていたのだけど、
母が到着したすぐ後には、学校がクローズになり、
次々に、全てのイベントもキャンセルになり、
外出自体も厳しくなり、
街は途端に静まり返っていきました。
そんな中、子供らは、突然の学校の閉鎖による突然のお休みに、ゆっくり羽を伸ばし、寝たい放題、遊びたい放題。
しばらくは、うん、これまで忙しくってろくに寝る暇もないほどに追い立てられ張り詰めてたんだから、こんな時間も大事よね、と思えてたのだけど...、
そんな状況がずっと続くと、今度はだんだん私の心配のタネがムクムク。。
つい、そんなんでいいの?とか言いだし、お尻を叩きたくなる私と、
そこに過敏に反応して一触即発となる娘との間に入って、
母は上手に気分転換してくれて、また、穏やかな時間に戻る、、、ということがよくありました。
ADDの診断は、ずっと分かっていた事ではあったのだけど、だけどやっぱり、それはどこかショックで。
色々と先走りしてしまって、
どこかで、この子の足りないところは、私がなんとかしなくっちゃ、みたいな思いや焦りが強くなってた頃でした。
これまでは、これも"彼女の個性"と受け入れられるようになって、なんとか上手くやれてきていたのに、
改めて診断を受けると、「はい、この子は病気です」とラベルを貼ってしまったかのように、
私のマインドは、彼女のだらけて見える計画性のなさや、忘れっぽさに、
「だからダメなんだよ!」で潰されそうになっていました。
そんなところに、母はいつも、
彼女のそのものを愛し、慈しみ、いつも彼女のサイドで優しく包んでくれていて、
いいのよー、そのままで。
最高にいい子よ。最高に優しい子よ。
太陽の子だよ。天使だよ。
と、繰り返し繰り返し、
何度も私たちに言って聞かせてくれました。
小さな頃から、繰り返しかけてきてくれた言葉。
それを聞くたびに、私自身もホッとして、スッと涙がこぼれる。
過敏にささくれだちそうだったこの時期に、
そう、何度も何度もつぶやいてくれた母の存在のお陰で、
本当に大切なものや彼女の良さを見失わずに、
共に在る有難さを大切に慈しんでこれたようにも思います。
ロスでやりたかった諸々のイベントは、全部キャンセルになっちゃったけど、
母の渡米は、そんな時期だったからこそ尚更ありがたく、
一生の宝物の時間となりました**。
子供らも、
ばぁばとゆっくりベイクして、
一緒に刺繍して、
絵を描いて、
散歩して。
私も一緒に台所に立って、
あーでもない、こーでもないと、幼少期のことや、なくなった父のことなど、
いろんなことを補い合うように、たくさん語り合う時間をゆっくり持てました。
こうして世界が不自由になってみたら、
逆に、大切なものが浮き彫りになり、
本当に大切なものは、すでに内側に持ってたんだな、
というありがたさも、痛感します。
世の状況が刻々と変わる中で、
今度は次第に母の方がソワソワし出したので、
結局、滞在期間を早めに切り上げ、ちょいと早めに帰国していきました
。
きっと、こちらの状況も自分の目で見て安心したから、
今度はまた、日本の方のことが、気になってきたんでしょうね
。
母、あちこちお世話に用事に、大忙し。
やっぱり、スゴイよね。
今の混沌とした世の中も、
後になったら、
この事が分岐点になったよねと、
力になり、自信となり、
この時間を、宝物のように感じるのかな。
今のありがたさを胸に、
このひと時を、
大切に生きてこうと思います。
頑張ろうね。
ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー

