こんばんは!
仕事をやり残しているのを帰宅してから思い出してしまい、万事休すのまなみんです!!
明日休みなのよね・・・何事もなく過ぎてくれますように・・・!!
さて、怪しい雲行きの呉用後伝です。
ネタバレです。
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郁里「呉用さ・・・あ・・・」
部屋に入ると、机に突っ伏している呉用さんの姿があった。
郁里「呉用さー・・・ん」
そっと呼びかけてみるけれど、起きる気配はない。
(疲れてるんだよね、こんなところで寝ちゃうなんて・・・風邪引かないといいんだけど)
そう思って近くにあった毛布をとり、呉用さんの体にかける。
一瞬、呉用さんの肩に手が触れたその時。
(え・・・?)
フラッシュバックのように、何か映像のようなものが頭の中に流れ込んできた。
(今の・・・なに?)
恐る恐る、もう一度呉用さんの身体に触れてみる。
(これは・・・っ!)
目の前に広がる青い空。
視点は少し、高かった。
(馬に乗っているときと同じ感じだけど)
???『いい天気だな』
???『そうですね』
ふと視線を移すと、そこには呉用さんがいた。
どうやら誰かと話しているらしい。
???『こんな風に、呉用さんと旅に出られるなんて嘘みたいです』
(この声は・・・ひょっとして、私!?)
客観的に聞いた自分のものと思われる声。
なんだか恥ずかしくなる。
呉用『これからは、もう危険なこともない。二人でゆっくりと、いろんな場所を見て回ることができる。郁里に見せたい場所はたくさんある』
郁里『はい、楽しみです!』
弾むような私と呉用さんの声。
(これって、もしかして、呉用さんの夢の中?)
呉用『こんな日を迎えるために、私は・・・』
呉用さんが何か言いかけた、次の瞬間。
突如として先程までの景色が消え、目の前が真っ暗になる。
(今度は何!?)
とっさに呉用さんの体から手を離す。
呉用「う・・・郁里?」
目覚めた呉用さんが、不思議そうに私を見つめた。
(ひょっとして、目の前が真っ暗になったのは・・・呉用さんが起きちゃって、夢が中断したせい?)
呉用「どうしたんだ、郁里。顔が真っ青だが・・・」
郁里「ごめんなさい、呉用さん・・・」
呉用「なぜ謝る?」
郁里「私・・・呉用さんの夢を覗いてしまったみたいで」
呉用「・・・・・っ!」
郁里「すみません、寝ている呉用さんに毛布をかけようとした拍子に、体に触れてしまって・・・そうしたら、夢の内容が頭の中に・・・」
呉用「郁里!」
少し慌てた様子で、呉用さんが私の肩を掴んだ。
呉用「その夢の内容というのはどういうものだった?」
郁里「えっと、呉用さんと私が二人で馬に乗ってどこかに行く途中で、これからは旅をしても危険なことはない、みたいなことを呉用さんが言っていました」
呉用「・・・それ、だけか?」
郁里「?は、はい・・・」
(呉用さん、どうしたんだろう。なんだかすごく焦っているみたいだけど・・・)
急に真剣な顔で黙りこくってしまった呉用さんの様子に、私は首を傾げてしまう。
郁里「あの、呉用さん?ひょっとして怒ってますか?」
呉用「いや・・・少し驚いただけだ。君の能力がそんなに成長していたとはな」
郁里「はい・・・今まで、眠っている呉用さんに触れても、こんなことはなかったので。でも、今日は見られてよかったです」
呉用「何?」
郁里「呉用さんの夢の中の風景がとても綺麗だったから・・・」
呉用「・・・国が平和になれば、あんな風景がきっと見られる。私はそれを・・・君に見せてあげたいのだ」
そう言うと、呉用さんは柔らかく微笑んだ。
郁里「・・・・・」
呉用「何かおかしかったか?」
郁里「いえ・・・ただ、安心しました」
呉用「なにがだ」
郁里「やっぱり、呉用さんも平和を望んでいるんだなって」
呉用「それは、当たり前だろう。そのために、戦っているのだから」
私は小さく頷くと、そっと呉用さんの体に抱きついた。
呉用「・・・郁里っ!?い、一体、どうしたというのだ、突然なにを・・・っ」
郁里「なんだか・・・急にくっつきたくなってしまって」
呉用「そ、そうか・・・あまり驚かせないでくれ。あ、あと、できるだけ、夢の中は覗かないでほしい。その・・・やはり恥ずかしいからな」
郁里「はい」
呉用「やれやれ。力が成長しすぎるのも問題かもしれないな」
口ではそう言いながらも、呉用さんはどこか嬉しそうな表情で、ポンポンと私の頭を撫でてくれた。
(たとえ、他のみんなが何を言ったとしても、私は呉用さんを信じてついていこう・・・)
呉用さんの胸に顔をうずめながら、私はそう決心したのだった。
でも、この時の私は幸せに浸っているあまり、とても大切なこと・・・呉用さんの心の声を聞き逃してしまっていた。
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遼を撃退してからしばらくの間。
梁山泊ではいつも通り、淡々とした日々が送られていた。
でも、そんなある日、宋江さんの命により、私たちは急きょ広間へと集められた。
郁里「何かあったんですか?」
隣に座っている馬麟さんに小声で尋ねる。
馬麟「実は、朝廷から再び使者が来たんです」
郁里「えっ。じゃあ、この前の戦いの褒賞を持ってきたとかですかね」
馬麟「それならよかったのですが・・・」
その時、宋江さんと呉用さんが広間へと入ってきた。
李逵「朝廷のヤツ、今度は何を言ってきたんだぃ?」
宋江さんが座るなり、李逵さんが待ちきれないといった様子で尋ねた。
宋江「落ち着きなさい、李逵。まずは林冲、先の遼との戦い、ご苦労だったね」
林冲「いえ・・・」
宋江「皇帝陛下も、ずいぶんと満足していたそうだよ」
李逵「皇帝が満足したかどうかなんてどうでもいいやぃ!」
呉用「李逵、少し控えろ。なお、遼との戦いの結果に満足したということで、皇帝から新たな勅令が下った」
呉用さんの一言に、広間は蜂の巣をつついたような騒ぎになった。
林冲「呉用さん、それってどういうこと?」
ざわつく面々を代表するかのように、林冲さんが尋ねる。
呉用「遼を撃退したことで、皇帝はよほど梁山泊軍を気に入ったのだろう。続けて、国中を荒らす方々の反乱軍を鎮めるようにと言ってきた」
www梁山泊も反乱軍なんだけどねwww
林冲「なっ・・・」
珍しく、林冲さんが言葉を失う。
郁里「あの、馬麟さん。反乱軍って、梁山泊以外にもいるんですか?」
馬麟「ええ。田虎、王慶、方蠟という者たちが率いる反乱軍がいます」
郁里「そんなに・・・」
馬麟「いずれも、梁山泊に劣らぬ大規模な軍です。国外には遼、国内には四つの強大な反乱軍という不安を抱えていては、朝廷としても、頭の痛いことでしょうし、今回の勅命も、予想の範囲内と言ったところでしょうか」
(でも、それって・・・朝廷が梁山泊に対して勅命を下して来たってことは、つまり、反乱軍同士で争わせるってことで・・・あっ!もしかして・・・)
そんなことを一人で考えていると・・・。
李俊「やっぱり、納得いかねぇなぁ」
wwwガキんちょ登場www
ポツリと李俊さんが声を発した。
李俊「遼を収めたと思ったら、今度は反乱軍だって?相手はどこなんだ」
宋江「田虎だよ」
李俊「はんっ!どうせ俺たちが田虎を鎮めりゃ、次は王慶や方蠟も鎮めろって言ってくんじゃねえのか?で、全部鎮めたところで、官軍が全力を挙げて疲れた俺たちを討ちに来る・・・ってところだろ」
(やっぱり・・・李俊さんも同じことを考えてる)
李俊さんが言っていたことに誰も反論しないところを見ると、他のみんなも、同じようなことを考えているのだろう。
李俊「俺は、勅命なんざ絶対に受けねぇからな!」
呉用「いい加減にしろ、李俊!お前に拒否権はない」
李俊「なに・・・?」
呉用さんの言葉に、李俊さんがわずかに殺気だった。
呉用さんに睨みつけられ、李俊さんの表情が強張る。
(どうしよう。すごく険悪なムードになってきちゃった・・・)
呉用「田虎を討つ。これは決定事項だ」
李俊「勝手に討ちゃいいだろ。俺は知らねえからな」
呉用「そういうわけにはいかない。田虎討伐には、李俊。お前と水軍の皆に行ってもらう」
李俊「嫌なこった」
きっぱりと李俊さんが言う。
イライラ・・・(-""-;)
呂方「命令に背くんですか、李俊どの」
李俊「おいおい、ここは一体、いつから朝廷みたいな場所になっちまったんだ?反対意見の一つも許されねえってのかよ。それになあ、俺は軍師ドノの命令を聞く気はねぇよ」
呉用「私の言葉は、宋江様の言葉と同じだ」
李俊「俺には、そこに座ってる宋江サンがお飾りみたいに見えるけどな」
阮小五「・・・僕も納得が行きません。そもそも、朝廷が言っていた“見返り”もまだもらっていないんです。もう約束を破っていることにならないでしょうか」
口論に、呂方くんや阮小五くんも加わり、ますます場は殺気立っていく。
李俊「・・・結局、俺たちは朝廷に利用されるだけされて終わりに決まってんだろうが」
呉用「そのようなことはさせない」
李俊「へぇー。今度は、朝廷の代わりに発言するってか?軍師ドノも随分とお偉くなられたものでございますねぇ」
(そんな言い方・・・)
言いたい放題の李俊さんに腹が立って、思わず腰をあげてしまった。
けれど・・・。
馬麟「いけません、郁里さん」
1:どうして止めるんですか
2:みんな誤解してるんです←
3:あんな言い方しなくても
郁里「みんな誤解しているんです。呉用さんはみんなのために、平和のために・・・」
馬麟「それを郁里さんが言って、皆が納得すると思いますか?呉用先生の想い人である、あなたが言って・・・」
馬麟さんにたしなめられ、私は渋々その場に腰を下ろす。
呉用「とにかく、田虎討伐のために水軍が出陣することは、宋江様と私で話し合って決めたこと。今から、決定を覆すことはしない」
李俊「その前に、納得がいく説明をしろって言ってんだよ!」
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ヒロインちゃんじゃないけど、李俊の態度にイライラMAXです。
組織には向かない人間ですなwww