こんばんは!
丼物をスプーンで食べるのがどうしても許せない、まなみんです!!
中華丼や天津飯をレンゲで食べるのはオッケーです(°∀°)b
さて、史進外伝ももうすぐ終りですね~
次はとりあえず、途中になっている石神さんのブライダル編をレポしていく予定です。
それでは、ネタバレで今日も頑張ります。
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(ぶつかる・・・!)
魯智深さんの隊を目の前にそう感じたとき。
史進くんは駆ける方向を左に変えた。
見ると、魯智深さんたちも史進くんの隊と同じ方向へと駆け出していた。
史進軍、魯智深軍が合流し、ひとつの流れになって怒涛の力を発揮する。
目の前は宋軍。
前方の彼らが慌てふためくのが手に取るようにわかった。
史進「我らが敵は宋軍!目の前の敵を蹴散らせ!」
地響きのようなかけ声が背中を押す。
突然、攻撃を仕向けられた宋軍が浮足立っている。
(やっぱり・・・!)
頭の中でようやくひとつの合点がいった。
(裏切ってなかったんだ!魯智深さんも、楊志さんも!)
史進「逃げ腰になっている軍など、我々の敵ではない!」
自信に満ちた史進くんの声に、ますます元気になる。
史進「郁里!万が一、別方向から敵が現れる気配があったら教えてくれ!」
郁里「は、はい!」
史進「突破する!楊春は右翼から回り込め!陳達は後方から支援頼む!」
突然の方向転換に戸惑っている兵もいるように思えた。
しかし、次々と飛ぶ史進くんの指示に動きに大きな乱れはなかった。
(それに引き換え、宋軍は・・・)
私の目から見ても、見苦しいくらいに混乱している。
(でも、宋軍はこちらの倍・・・)
史進「心配するな」
私の不安を察したように史進くんが声を上げた。
史進「俺たちは三倍の働きをしてみせる」
郁里「でも疲れも三倍になるんじゃ・・・」
史進「勝利の喜びが帳消しにする。それに・・・」
史進くんが一瞬私の手に触れた。
wwwこの忙しいときにかwww
史進「お前がいてくれれば、俺は負ける気がしないんだ!!」
郁里「・・・・・っ!」
(そんな笑顔を見せられたら・・・うなずく以外に何もできないじゃない!)
背中を見せる兵も多い宋軍に一斉に攻撃を仕掛け、組織だった抵抗を見せない宋軍を退却に追い込んだ。
それには、史進くんの笑顔を見てから、わずかな時しか要しなかった。
史進くんが言ったとおり、逃げ腰になった軍は、黒龍騎士団の敵でも魯智深さんたちの敵でもなかった。
史進「絵に描いたような自滅だな。俺たちが衝突するところを物見遊山気分で眺めているからこうなる」
宋軍を蹴散らすと、史進くんは吐き出すように言った。
史進「このまま、少華山を取り返す!」
郁里「うん・・・!」
史進くんの言葉に大きく頷いたときだった。
魯智深「共に行くか」
同じく、宋軍を退けた魯智深さんたちの隊が合流してくる。
史進「・・・ありがとうございます」
魯智深「陳達の兵たちは、良い軍だな」
魯智深さんたちの隊には陳達さんが率いる隊が途中から加わっていたようだった。
二千はいた敵に、たった七百あまりの兵で討ち勝ったのだ。
魯智深さんの褒め言葉も当然だと思う。
史進「その言葉は陳達に直接、言ってやってほしい。喜ぶはずです」
魯智深「ああ、そうしよう」
微笑み合う魯智深さんと史進くんの姿を見て、胸がジンと熱くなっていくのを感じた。
史進「さて、あとは少華山だな・・・」
魯智深「朱武がうまくやっているのではないか?」
(え・・・)
そういえば、朱武さんの隊は史進くんの指揮下には入っていなかった・・・。
(一体、どこで何を?)
その時、少華山のほうから、風に乗って雄叫びのような声が聞こえた。
史進「始まっているな・・・。急ごう」
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響いた雄叫びは、朱武さんの隊によるものだった。
占領されていた少華山に潜入、中から切り崩していたようで、少華山のそばまで行くと、宋軍が大混乱しているのがわかった。
史進「抜け道はふさげ!逃がすな!」
急いで駆け付けると、史進くんは次々と指令を飛ばしていく。
取り乱し、飛び出してくる兵たちはすでに規律を失っており、いとも簡単に少華山の兵たちに倒されていった。
無事に少華山を取り戻したころ・・・。
辺りは朝日によって光を取り戻し始めていた。
史進「・・・なんともあっけないものだったな」
少華山の周辺を確認するように馬を駆けさせながら、史進くんがポツリと呟いた。
郁里「宋軍のこと?それとも・・・少華山のこと?」
史進「別に、どれ、というわけではないが・・・」
史進くんは考え込むようにフッと言葉を切った後・・・。
史進「強いと思っていたものが転落するのはあっという間だ。築き上げるのには時間がかかるというのに、滅するのはほんの一瞬だ。梁山泊が国を倒す時がやってきても・・・本当の勝負はそこからなのだな」
そう言って、微笑む史進くんの横顔は、妙に大人びたものだった。
(戦を重ねるたびに一人で大人になっていくんだから・・・なんだか置いてけぼりみたいで、ちょっと寂しいよ・・・)
不意に、馬のスピードが遅くなった。
そして、ゆっくりと止まる。
史進「・・・・・」
史進くんは先に馬から飛び降りると、私を抱き上げる。
郁里「じ、自分で降りられるけど・・・」
史進「黙っていろ」
私を馬から降ろす。
史進「・・・見てみろ」
史進くんはある方向を指さした。
空の一部が虹色にキラキラと輝いていた。
郁里「あれは・・・」
史進「言っただろう、この辺りには美しい蝶が多い、と」
美しい蝶がひらひら、ひらひらと舞い、空を覆う。
少華山に来た日、史進くんが教えてくれたことを思い出す。
郁里「『蝶の雪』・・・」
史進「美しいな。郁里に見せることができて、本当によかった」
私の肩を抱き寄せ、史進くんが微笑む。
戦で荒れた大地。
でも、空は今までみたこともないような美しい光景を見せてくれていて・・・。
私たちは、飽きることなく、その空を見つめ続けるのだった。
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少華山に戻ると、魯智深さんと楊志さんの姿があった。
魯智深「・・・史進」
魯智深さんは、史進くんの姿を認めると笑みを浮かべた。
魯智深「衝突する直前まで、肝が冷えたぜ」
史進「仲間を信じないわけがないでしょう」
魯智深「確信は持っていたってわけかい?」
史進「あなた方にとっては不利な話ばかりでした。ここにきて、陳達たちに宋から離反の誘いがあったことがわかった。陳達たちは断ったが、自然と、魯智深殿たちにも疑いが向く。」
魯智深「そうだろうな」
史進「更には魯智深殿たちが裏切ったと訴えてきた兵がいた。村を助けに行った際、宋軍に襲われ、危機に瀕しているときに、魯智深殿たちは全く動こうとしていなかった、と」
魯智深「ほう・・・」
史進「しかし・・・その男は、所属は朱武の隊だと言ってしまった。これが決定的だった」
楊志「・・・つまり?」
史進「俺もあとで知ったのだが、朱武の軍は村を助けに行かず、独自に動いていたのだ」
(史進くん・・・やっぱり気が付いていたんだ)
史進「それに、その男は、楊志殿が剣を振るったところを見たと言っていた。楊志殿は剣を抜き、兵を一刺しにしたと言った」
楊志「突く・・・だと!?」
史進「ああ、それは楊志殿の剣ではない。楊志殿は目にも止まらぬ速さで剣を振るい、気が付いたときには剣は鞘におさまっている。それが最も恐ろしいというのに」
楊志「・・・・・ふっ。吸毛、お前、褒められたぞ。よかったな」
(・・・本当に剣に話しかけてる・・・)
史進「だから、あなた方が裏切っていないという確信はあった」
魯智深「少しも疑わなかったのかい?」
史進「ちっとも」
魯智深「私はほんの少し揺らいだぜ・・・つまりそれだけ、お前は立派な頭になったということだ」
史進「いえ・・・漢としてはまだまだです」
伏し目がちに言う史進くんをじっと見つめていると・・・。
魯智深「おやおや・・・」
私が史進くんをじっと見つめていることに気が付いた魯智深さんが、わずかに私に顔を近づけた。
魯智深「どした、史進に見惚れていたのか?」
1:違います!
2:素敵だな、と思って←
3:少しだけ
郁里「素敵だな、と思って」
魯智深「ほう、素直だ」
郁里「思ったことはすぐ口を出さないと、次にいつ伝えられるか、わかりませんから」
www縁起でもないセリフwww
魯智深「・・・ああ。まったくもってその通りだ。いい女だな。改めて思ったよ、郁里さん」
史進「と、とにかく!」
話を変えるように、史進くんが少し大きな声を出した。
史進「此度は・・・魯智深殿と楊志殿がいてくださって、本当によかった」
魯智深「なに、私たちはそのために来たのだから」
楊志「ああ」
史進「このために・・・?」
事情が分からない、という様子で史進くんが首を傾げる。
魯智深「まあ、詳しいことは、そのうち呉用殿からでも聞けよ。それよりも郁里さん・・・」
魯智深さんが私のほうを振り向く。
魯智深「よかったら、私たちと一緒に二竜山に来ないかい?」
史進「ダメだ」
wwwなぜキミが答えるのかwww
私よりも早く史進くんが答える。
魯智深「史進には聞いていない。郁里さんに聞いているんだが」
史進「いけない。魯智深殿のそばにいては、郁里がどんな目に遭うかわからない」
魯智深「たとえば、どんな目に遭うと思っているんだ?」
史進「そ、それは・・・」
楊志「騒ぎ立てるな、史進」
それまで黙っていた楊志さんがボソリと口を開く。
楊志「魯智深は遊びだ。本気ではない」
史進「郁里が?遊び?」
みるみるうちに、史進くんの顔が赤くなっていく。
史進「郁里を遊女のように扱うとはっ!!許せぬっっ!!!!」
www落ち着けよ、うっとおしいな~www
郁里「待って待って、史進くん!どうしてそうなるの!」
魯智深「はっはっはっ。これは愉快だなあ」
史進「どこが愉快だっ!!!」
魯智深さんに殴りかかろうとする史進くんを必死に止める。
郁里「楊志さん、ちょっと言葉不足ですよっ!」
楊志「・・・間違ったことは言っておらん」
(そっ・・・そんなあ・・・)
史進「魯智深殿、遊女と言ったこと、郁里に謝っていただきたい!」
魯智深「はて、言った覚えはないが。話ならば、あちらで二人っきりで・・・」
史進「俺の見えるところで謝れ!」
郁里「もう、落ち着いて・・・史進くんってば・・・」
朱武「・・・なに、この茶番」
陳達「まあまあ、平和でいいじゃねえか。しっかし・・・魯智深殿と楊志殿とはね。超大物だったってわけだ」
楊春「・・・・・っ!」
陳達「・・・そう言うなよ。どう考えたって、あの時点ではお二人とも怪しかったじゃねえか」
朱武「うん、陳達はいい働きをしてくれたよ」
陳達「おっ、なんだその上から目線。気に食わねえなあ」
朱武「君がいなければ、今回の件、宋軍にバレてしまっていたかもしれない。いい囮になってくれた。つまり、そういう役回りもあるってことさ。バカ正直者なりのね」
陳達「ちっ・・・うれしくねぇ」
朱武「ふふふ、そんなことだから恋文の一つももらえないんじゃないのかな?」
陳達「そっ、それを言うなよっ!」
少華山を取り返した日。
その日は、一日中賑やかな声があふれていた・・・。
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
さ、残すところはエンドのみとなりました~
もちろん、いつもどおりのアメ限の完レポで~す('-^*)/