※ネタバレしてます!!
※選択肢はすべて5UPのものです!!
※簡易レポですので、選択肢を省略してる場合もあります!!
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梁中書に勝利した梁山泊軍は、速やかに撤収作業が行われ、一路、梁山泊を目指すことになる。
戴宗と扈三娘が粘っているとはいえ、一刻も早く戻らなければならない。
しかしその前に、もう一人いるという間者の洗い出しをすると、呉用が言った。
その言葉に、郁里は気になっている人物がいることを思い出した。
郁里「実は梁山泊にいたときに、呉用さんの部屋の近くで、よく同じ人を見かけたんです」
呉用「何・・・?」
郁里「呉用さんが一度、この部屋の辺りには近づかないように、って注意していたにも関わらず、そのあとも・・・」
呉用「ふむ・・・」
郁里「それ以外でも、気付いたらその人が近くにいたって、そういうことが時々あって・・・」
呉用「分かった。もし、今度その人物が近くに現れたら、こっそりと耳打ちしてもらえるか」
郁里「はい。わかりました」
その時だった。
兵士「呉用さま、宋江さまがお呼びですが」
一人の兵が呉用に声をかけた。
呉用「ああ、分かった」
何の気なしに、その兵を見た郁里は、思わず声を上げた。
郁里「あっ!呉用さん、この人です、間者・・・!」
呉用が慌てて郁里の口をふさごうとしたが、もう遅かった。
兵士「ちっ・・・くそっ!死ね、女!」
剣を抜いた間者が、勢いよく郁里に斬りかかった。
呉用「郁里!」
呉用がとっさに前に出て、その剣を受ける。
呉用「ぬんっ!」
呉用は剣を鞘ごと振り上げると、男に振り下ろした。
間者「ぐっ・・・」
呉用「郁里を傷つける奴は許さん!」
そのまま何度も間者を殴りつける呉用を、郁里が慌てて止めに入る。
郁里「呉用さん、やめて!それ以上は駄目です!」
呉用「なぜだ?こいつは君を・・・」
郁里「でも、情報を聞き出さなければならないでしょう?」
騒ぎを聞きつけた阮小五が駆けつけてきた。
阮小五「郁里さん!先生!?」
呉用「曾家の間者だ。捕らえて、尋問を」
阮小五「分かりました」
男は阮小五に引き立てられていく。
呉用「よく、あの男だとわかったな」
郁里「よく、部屋の近くで見かける、というのもあったんですけど・・・あの人だけ、目つきが違ったんです。なんだか、ひどくよどんでいるというか・・・」
呉用「やはり、君は天女なのかもしれない・・・」
郁里「え?」
呉用「道理を飛び越えて直感で答えを導き出す」
しかし郁里は、天女と言われてもいまいちピンとこなかった。
その時、呂方の声が響いてきた。
呂方「呉用先生!大変です!梁山泊が・・・・・・っ」
焦った呂方が一気にまくし立てる。
呂方「戴宗どのが率いる隊のほかに、曾索の隊が梁山泊を攻めたらしく・・・扈三娘どのが耐え切れずに退却を・・・・・・!」
呉用「なんだと・・・っ」
郁里「扈三娘さんは、無事なんですよね?」
呂方「ああ。隊に怪我人は出たものの、死者は出ていない」
呉用「しかし・・・予定より早いな」
梁山泊本隊が到着するには、もう少し時間がかかる。
呂方「現在は先行していた林冲どのの騎馬隊が、足止めしているようです。なぜかは分かりませんが、今朝、少し先を行くと言って・・・」
思わず、二人が顔を見合わせる。
実は昨日、呉用は林冲を先に向かわせるべきかどうか悩んでいた。
結局結論は出なかったので、命令も下されなかったのだが、郁里を通じて呉用の考えを知った林冲が、自分の判断で先行したのだった。
呉用「もしかしたら我々は、知らないうちに、また君に助けられたのかもしれない」
郁里「そんな・・・きっと偶然です」
呉用「これで・・・どこまで時間稼ぎができるか・・・」
呂方「あ、そうだ。忘れるとこだった。姉御、宋江さまが呼んでたぜ」
郁里「え・・・・・」
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郁里は呂方に言われて、宋江の幕舎に来ていた。
郁里「宋江さん・・・郁里です」
宋江「ああ、来たか。まあ、そこに座って」
郁里「?はい・・・失礼します」
郁里が腰を下ろすと、宋江はにこやかに話し出した。
宋江「たまには、呉用とではなく、私とじっくり話をしてみないかい・・・?」
郁里「お話・・・ですか。一体何の・・・」
宋江「あなたの今後について」
ドクン、と郁里の心臓が大きく揺れた。
宋江「この戦いが終わったら、あなたが元の世界に戻れる方法を探りましょう」
郁里「え・・・」
宋江「今回の戦いであなたがいてくれたことは、我々にとってはとても大きなことだった。あなたがいなければ、多くの同志を失っていただろう。しかし・・・あなたの存在はとても危険だ」
にこやかな笑顔は崩さないままに、宋江は話を続ける。
宋江「三巻の書の話はしたよね?」
郁里「はい・・・呉用さんからも、続きを少し・・・」
宋江「あなたのおかげで得るものは多い。しかし、同時に、世界に与える影響も多大なようだ。そして、何よりあなたの存在は・・・・・呉用を惑わせる」
優しげな表情のままの宋江の言葉は、郁里の心をえぐった。
宋江「呉用はあなたの言動全てに左右されやすい。ときとして、あなたのために感情的になることも・・・。これからの呉用は、梁山泊を導いていかなければならない人間のうちの一人です。女性に惑わされるようなことがあってはならない・・・・・私の言いたいことは分かるね?」
宋江の優しい声色は、郁里の心を真綿で締め付けていく。
宋江「よく、考えてみてください」
郁里「・・・はい・・・・・・」
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宋江の幕舎をあとにすると、呉用がいた。
呉用「郁里!」
郁里「どうしたんですか?呉用さん」
呉用「いや・・・何かあったのか?表情が暗いが・・・」
郁里「大丈夫です。呉用さんこそ、どうしてここに?」
呉用「わ、私も・・・ちょっと宋江様に用が・・・」
郁里「そうだったんですね。ごめんなさい、私が少し長くお話ししてしまっていて」
呉用「い、いや。気にする必要はない」
呉用はそっと郁里の頬を撫でた。
呉用「どうした?やはり、何かあったのでは・・・」
郁里「・・・・・」
呉用「私の力になれることがあったら・・・なんでも話してほしい」
どこか寂しげに、呉用が言った。
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宋江さんが、ちょっと嫌な人になってる。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。
でも好きだけど(笑)