※ネタバレしてます!!
※選択肢はすべて5UPのものです!!
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郁里「私は・・・ここに・・・いないほうが、いい・・・?」
呉用「三巻の書というものがあるのを知っているか?」
郁里は、以前宋江から聞いた、国を救う天女の話を思い出した。
呉用「そしてそこにはこうも書いてあった。天女の力を借りすぎると、天女は消え・・・世界にはひずみが起きる、と。故意に大きな力を使った結果、短い時間ではあるが、君は元の世界へと帰った。それ以上に大きな力を使わせることになると・・・君の存在はこの世界から消え、何らかの異変が起こる可能性がある」
郁里「でも、その本に書いてある天女が私とは限らないし・・・」
呉用「いいや、君だ」
呉用が断言する。
そして呉用は、郁里がこの世界から消えるだけじゃなく、存在そのものが消えてしまう可能性もあると告げる。
それは、郁里の死を意味する。
郁里の背中を冷たいものが走った。
呉用「力を使いすぎる前に、自分の意思で戻るのもひとつの方法だ」
郁里「そんな・・・」
呉用「少し・・・考えておくといい」
郁里「呉用さんは・・・どう思っているんですか?私が戻ったほうがいいと・・・?」
呉用「私は・・・」
呉用が答えようとしたとき、曾家の兵が姿を現した。
兵士「曾塗様がお呼びだ」
呉用は郁里に、ここにいるように言う。
1:一人で待つのは怖い
2:呉用さんのそばにいたい
3:私も話が聞きたい←5UP
郁里「私も、話が聞きたいです。梁山泊に関わることは、もう私にとっても決して他人事ではないんです」
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広間には、曾五兄弟と史文恭がいた。
曾塗は、いきなり呉用を信じることはできないので、情報をよこせという。
曾塗「梁山泊軍は梁中書攻略にてこずっているそうだな」
呉用「長引けば長引くほど、梁山泊軍は苦しくなるでしょう。都の軍勢も直に到着するでしょうし」
曾塗「・・・この機に、梁山泊を落としたい」
郁里「・・・・・・!」
曾塗「今現在の梁山泊に残っている兵力は?」
呉用「5000の騎馬隊が一隊のみ。大将は扈三娘が務めています」
曾塗「あの跳ねっ返りか・・・」
呉用「梁山泊は自然の砦ではありますが、私は弱点を知っています。そこから攻めればたやすい。梁中書攻めの軍が引き返してきたとしても、もはやあとの祭り。戻ってくるまでに、梁山泊を落とせます」
曾塗「おもしろい。ならば、攻め落として見せよ。梁山泊攻めの先鋒は呉用、お前だ」
郁里は思わず出そうになった声を飲み込んだ。
呉用「かしこまりました。必ずや曾家に勝利をもたらしましょう」
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曾塗から梁山泊攻めの先鋒を言い渡された呉用は、その日から戦の準備に入った。
郁里「本当に戦に行くんですね・・・。相手は梁山泊なのに・・・」
呉用「曾塗は私を疑っている。私を先鋒にしたのがいい証拠だ。だから、ギリギリまで、私が味方であると思わせておく必要がある。そのために、普段の戦より考えなければならないことがあるのだ。どれだけ、曾家に信用させることができるか、それが今回の鍵だ」
郁里は呉用の背中にそっと手を回した。
郁里「私、不安なんです」
呉用「不安?」
郁里「だって梁山泊の人たちは、呉用さんの本当の気持ちを知らないんでしょう?もし間違って・・・梁山泊の人たちに討たれるようなことがあったら・・・」
呉用「それは・・・」
(呉用さんが討たれるなんて・・・絶対に嫌・・・)
郁里はきゅっと腕に力を入れた。
呉用「・・・大丈夫だ」
郁里の心を見透かしたように、呉用が言った。
呉用「なにせ、私には君がついていてくれるからな」
振り向いて、呉用がやさしく微笑んだ。
それでも、郁里の不安な気持ちは和らぐことはなかった。
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梁山泊への進軍が始まった。
気付かれないように、隊を分けて、少数で移動をする。
呉用は郁里の身体を気遣うが、緊張のためか、郁里は少しも疲れを感じなかった。
進軍は順調に進み、翌日には梁山泊へ到達するというそんな日の夜・・・。
ほかの兵が寝静まった野営地で、呉用が小さく郁里を呼んだ。
呉用「郁里、おいで」
郁里「どうしたんですか?何か・・・」
呉用「いや・・・今日は、郁里と一緒に寝ようかと思っただけだ」
暗闇だが、呉用の顔が真っ赤なのがわかる。
郁里は嬉しかったが、その場から動けなかった。
呉用「どうした?」
郁里「・・・怖いの」
呉用「え・・・?」
郁里「梁山泊を一人で出て行ったとき、呉用さんは・・・口づけをしていった」
呉用「・・・」
郁里「もし、今日一緒に寝て、幸せな気持ちで明日の朝を迎えたら・・・呉用さんがいなくなってしまっている気がして・・・」
呉用「・・・心配しなくていい」
呉用がそっと郁里の手をとった。
呉用「ただ今夜は、君を抱きしめて眠りたい。それだけの理由なんだが・・・駄目か?」
郁里の鼓動が激しくなる。
呉用「もちろん君が嫌だというなら、無理強いはしない」
郁里「・・・嫌だなんて、言うわけないでしょう」
呉用「・・・」
郁里「ただ、約束して。私が目覚めるまで、私を抱きしめていてくれると」
呉用「・・・ああ、約束しよう」
呉用が郁里の身体をそっと抱き寄せた。
呉用「今日は・・・冷えるな」
郁里「私は、あったかい。呉用さんが抱きしめてくれているから」
呉用「・・・そうか。ところで、敬語はやめたのか」
郁里「・・・うん、今夜だけ。明日には、戻すから。・・・いいでしょ?」
呉用がうなずく。
郁里「呉用さん、ひとつお願いがあるの」
呉用「なんだ?」
郁里「・・・戦いの中で、私の力が必要になったら・・・迷わず使って」
呉用「!!」
郁里「たとえ、私が元の世界に戻ってしまうほど、大きな力が必要だったとしても」
呉用「私と離れるのは怖いのではなかったのか」
郁里「もちろん・・・ずっと一緒にいたい。でも、呉用さんが捨て身になることで、離ればなれになるのも嫌」
呉用「なかなか注文が多いな」
呉用が苦笑いを浮かべる。
郁里「でも・・・私の力を使って、呉用さんが好機を掴めるなら・・・それでお別れをすることになったとしても、私は・・・」
郁里は、その後の言葉が続かなくなった。
呉用「君の力を使って、曾家を討ち、そして君は元の世界に戻る。めでたし、めでたし・・・。天女の伝説にはおあつらえむきな物語だ」
そう言いながら、呉用は郁里を抱く腕に力をこめた。
呉用「私はいつからか、欲張りになった。できることなら、勝利も得て、郁里もずっと自分のそばに置いておきたいと考えている二兎を追うものは一兎をも得ず、というのにな」
郁里「でも、二兎を追ってみたら、意外と両方手に入るかも・・・しれないよ」
呉用「やってみなければわからない・・・か」
郁里「うん」
呉用「・・・どちらも手に入れられる方法。考えてみる価値はあるかもしれない」
そう言うと呉用は、郁里をぎゅっと抱きしめて額に優しく口づけた・・・。
呉用「好きで仕方がないのだ・・・。今、君を離すなど考えられない・・・」
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久々の呉用ルートUPでした。
ラブラブすぎて、もはやツッコミどころではありません(笑)