※ネタバレしてます!!
※簡易レポです!!
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呉用が優しい表情で郁里を見つめる。
呉用「君を愛せたことで、私の世界は少し変わった。世界は憎しみばかりではない、と思った。君にはずっと笑っていて欲しいのだが・・・私がふがいないせいで、泣かせてばかりだ」
言いながら、呉用はそっと郁里に体を預けた。
★スチル★ 抱き合う呉用さんとヒロインちゃん(〃∇〃)キレイなスチルです!
郁里「そんなこと、ないです」
呉用「郁里・・・?」
郁里「呉用さんと出会えたことで、私も変わりました。ただ、守られているだけじゃなくて・・・私にも、愛している人を助けることができるんだって。それが分かっただけでも、すごく嬉しい」
聞こえるのは、虫の声と、わずかな風の音。
それから互いの鼓動。
呉用が郁里の頬に優しく口づけをする。
それは郁里の心を、温かく、幸せにしてくれるものだった。
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穏やかな夜を過ごした二人は、翌朝、再び曾家を訪れていた。
郁里は正体がバレないよう、男装していた。
それは、史文恭に迫られないようにするためでもあった。
曾索「ふん、よくもおめおめと戻ってきたな」
呉用「命を賭けた作戦に出たにも関わらず、報われぬことこの上なく。できれば曾家にて我が才を活かしたく」
曾索「ふふふ、まあいいだろう。曾家は懐が深いのでな」
呉用「有りがたき幸せ」
曾索「梁山泊軍は、梁中書との戦いが長引いているとのことだが?」
呉用「はい。阮小五を取り返すために躍起になっているようです。今の梁山泊なら、手薄かと」
曾索「そうか。詳しい話は、明日聞く。今日は休むがよい」
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部屋に通されて、郁里はホッと息を吐いた。
郁里「よかったですね、無事に潜入できて」
呉用「ああ。全面的には信用されていないようだが、それも当然」
部屋の外には、屈強な男が二人控えている。
呉用「これからが、正念場だ」
そう言うと、呉用は郁里の体に寄り添った。
郁里「ご、呉用さん!?」
呉用「少し、疲れた。こうしていると、心が安らぐ」
郁里「でも、曾家の人に見られるかも・・・」
呉用「呉用は連れの男に鼻の下を伸ばして、非常にくつろいでいる・・・そう思ってもらえれば、油断のひとつもしてくれるだろう」
(そ、それって、男色ってことじゃあ・・・・・・)
でもそう言いながらも、呉用の体は緊張感に包まれていた。
郁里は敵中で気を張っている呉用を見て、梁山泊のみんなが知らないままなのがやはり悔しかった。
どうにかして、みんなに伝える方法はないのかと考える。
そして、痣に手を当てて、みんなの顔を思い浮かべながら念じてみた。
(届け・・・)
次第に、郁里は自分の体が熱くなっていくのを感じた。
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郁里「ん・・・・・・」
目が覚めると、とてもいい天気だった。
ベッドから起き上がって、大きく伸びをする。
郁里はなぜか、現世に戻っていた。
(あれ・・・・・・?)
ふと、疑問を感じる。
(私、昨日、いつの間に寝ちゃってたんだろう・・・。家に帰ってきて、それから・・・)
思い出そうとしてみるけれど、霞がかかったようになり、何も思い出せない。
郁里は梁山泊で過ごした日々を、すべて忘れてしまっていた。
呉用「君の事を愛していた。誰よりも」
一瞬だけ、脳裏を横切った呉用の顔。
(今のは・・・誰・・・?)
記憶を探ろうとしたときだった。
郁里の携帯の着信音が鳴った。
郁里「はい!」
上司「なにやってんだ!今日はプレゼンの打ち合わせで9時集合だと言っただろうが!」
郁里「え・・・・・」
時計を見ると、すでに9時を回っていた。
郁里「すみません!今行きます!」
慌てて着替えていたとき、腕に見覚えの無いブレスレットがあるのに気付いた。
いつ買ったのだろうと思い出そうとしていると、また呉用の顔が浮かんだ。
呉用「君に渡そうと取り寄せた。気に入ってくれたか?」
呉用を全く憶えていない郁里は、不思議に思いながらも慌てて家を出た。
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一日の仕事を終えて帰宅した郁里は、帰るなりベッドの上に倒れ込んだ。
(なんなんだろう・・・フラッシュバックのようによぎる映像は・・・)
今日一日、郁里はそのフラッシュバックに悩まされていた。
郁里「疲れてるのかなぁ・・・」
ベッドから起き上がると、その瞬間、古びた本が一冊、視界に飛び込んできた。
あの日、古本屋で買った本だ。
本を手に取る。
途端に・・・郁里の頬を涙が伝った。
悲しくて、胸が痛くて、涙が止まらなくなった。
次第に視界が暗くなっていく。
郁里「なに・・・これ・・・」
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呉用「・・・・・・!郁里!」
焦ったような呉用の声。
揺さぶられる体。
郁里はゆっくりと目を開けた。
郁里「ひゃっ・・・呉用さんっ?」
目の前に呉用のドアップ。
郁里「どうかした・・・ご、呉用さん!?」
力いっぱい抱きしめられて、郁里は思わず驚きの声を上げてしまう。
呉用「急に消えだしたから・・・っ」
郁里「え・・・・・・」
呉用「何の前触れもなく、姿が消え出したから・・・もう会えないのかと・・・」
呉用に抱きしめられて、郁里は体の力が抜けていった。
自分の頬に涙のあとがあるのに気付いて、さっきのは夢じゃないと確信した。
郁里「呉用さん・・・・・・」
呉用「・・・?」
郁里「私・・・ちょっとの間、元の世界に帰っていたみたいです」
呉用「なに・・・・・・?」
郁里「私、どのくらい、いませんでしたか?」
呉用「そう長くはないが・・・」
郁里「戻ったら、私がここに来た日の翌日の朝でした。1日、仕事に行って、家に帰って、それでこっちに戻ってきたみたいなんですけど・・・」
呉用「・・・・・・」
なぜこんなことが起こったのか不思議がる呉用に、郁里は故意に力を使おうとしたことを話した。
大きな力を使おうとすると、元の世界に戻ってしまうのかもしれない。
呉用は、前の世界に戻ってみてどうだったか、帰りたくなったかと郁里に聞いた。
1:少し
2:懐かしい気分になった
3:帰りたくない←5UP
郁里「帰りたくないです。だって、元の世界には呉用さんはいませんから・・・」
呉用が郁里を抱きしめる。
呉用「離したくない・・・・・・っ。だが・・・」
郁里「言わないで・・・。それ以上は、言わないで」
呉用「・・・・・・・・・ああ」
呉用は、そんな大きな力を使って誰に何を伝えようとしたのか聞いた。
しかし郁里は、「秘密です」といって口をつぐんだ。
呉用「君が消えている少しの間に、戴宗が来た」
郁里「えっ・・・・・・」
呉用「梁中書軍と梁山泊軍の様子について、知らせてくれた」
郁里「何か変化が・・・・・・?」
呉用「いや。未だに交戦中らしいが・・・苦戦しているようだ」
郁里「そうですか・・・」
呉用「それにしても・・・よかったのかもしれないな」
郁里「何がですか?」
呉用「君の世界に戻る方法が、分かったということだ。これで、帰ろうと思えば、いつでも帰れる」
郁里は呉用の言葉に不安を覚えた。
二人の視線がぶつかる。
呉用「・・・戻る気はないのか?元の世界へ」
郁里「ご、呉用さんは・・・・・・っ。私が戻ったほうがいいって言うんですか?」
呉用「そんなこと、思うわけないだろう!」
郁里「・・・・・・・・・!」
呉用「ただ・・・君は・・・・・ここに居続けてはいけない人間であることも・・・確かだ」
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一〇八恋星☆水滸伝 呉用ルート 第八章 第十一話~第十五話でしたっ(≧▽≦)
第九章 第一話~第五話へ続きます!
イベント優先ですので、レポ少々遅れるかもです。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。