※ネタバレしてます!!
※簡易レポです!!
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呉用「確かに今までの私は、計画通りに進まないと苛々することもあった。しかし・・・今はそれが悪いことばかりではない気がしている。計画通りにいかなかったからこそ、得られるものがある。そのことを君に教えてもらった」
1:私でも役に立ってますか?
2:そう言ってもらえるとうれしいです
3:私も呉用さんから学ぶことは多い←5UP
郁里「私も呉用さんから学ぶことは多いです」
呉用「そうか。お望みとあらば、いくらでも教えよう」
郁里「ふふっ。お願いします」
呉用「しかしこれからのことは、しっかり計画通りに進んでもらわないと困るな」
そう言って呉用は、破った袖を郁里の顔に巻いた。
呉用「煙が回りだして、騒ぎが起き始めてからが勝負だ。決して、気を抜かないように」
郁里「はい」
呉用が火をつけ、煙をいぶり出す。
騒ぎが大きくなり、牢が開けられ始めたのか、慌てて走っていく人たちの姿も見えた。
そして二人の牢が開けられた。
呉用「行くぞ」
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二人は闇夜に紛れて、曾家荘近くの森まで逃げ延びた。
呉用「ここまで来れば、ひとまず大丈夫だ。少し、休もう」
郁里「は・・・い・・・」
曾家から全力で走ったため、郁里の体は疲れきっていた。
呉用「怪我はないか」
呉用の言葉に郁里が頷いた。
呉用「そうか」
二人の視線が絡み合う。
そして次の瞬間、郁里は呉用に今までにないほど強い力で、抱きすくめられていた。
郁里「呉用さん・・・」
呉用「よかった・・・本当に・・・」
郁里「はい・・・。呉用さんと一緒に抜け出せて・・・よかったです・・・」
抱き合ったまま、二人は力尽きたようにその場にしゃがみこんだ。
改めて自分が危険な場所にいたのだと認識して、郁里は目頭が熱くなってきた。
呉用「泣いているのか?」
郁里「少し・・・。ホッとしてしまって」
呉用「そうか・・・」
呉用が大きく息をつく。
呉用「曾家を抜け出せた。これで第一関門は突破だ」
郁里「え・・・・・・」
呉用「ここからが問題だ・・・。梁山泊に行くまでにはいくつか関所がある。そこを通らなければ、帰れない。獣道を通る方法もあるが、それも大きな危険が伴う」
郁里「獣道ですか・・・」
呉用「女装している姿も手配書が回るだろうし・・・まあもっとも、女装する道具がないがな」
郁里「もう、呉用さんの女装が見られないかと思うと、残念です」
呉用「どうしてもというなら、生きて戻れたらいくらでも披露しよう」
二人は微笑み合う。しかしすぐ真剣な表情に戻り、これからどうするか相談する。
服がボロボロなので、泥棒でもして新しい服を調達したいところだが、郁里が嫌がることはしたくないと呉用が言う。
ピンチのときだというのに、そんな呉用の気持ちが郁里はとても嬉しかった。
そのとき。
呉用「せめて・・・」
呉用の声が小さく響いた。
呉用の方を見てみるが、何か話していた様子はない。
郁里が不思議に思っていると・・・。
(せめて、宋江様に連絡をとる方法があれば・・・)
もう一度、呉用の声が響いて、郁里はその言葉が耳に聞こえているのではないと確信した。
(戴宗に近くまで来てもらい、そこで再び変装する手もあるな・・・)
郁里「・・・宋江さんと連絡が取れればいいんですか?」
呉用「・・・・・・!」
郁里「そして、戴宗さんに来てもらって、再び変装する・・・」
呉用「どうして・・・私が考えていたことを・・・」
郁里「急に、頭の中に響いてきたんです。最初は幻聴かと思っていたんですけど・・・」
呉用「今までにも?」
郁里「はい、ときどき・・・。今日、曾兄弟の話を聞いていたときにも・・・」
呉用「ときどき、か、本当に?」
郁里「え、ええ・・・。それもすごく断片的に・・・」
呉用「・・・そうか」
呉用がハッと何かに気づいたように郁里の胸元を見た。
呉用「これは・・・!」
郁里の胸元が光っていた。
それは、着物の上からでも分かるほどの強い光だった。
呉用「君が何かしらの力を使ったときに、光る・・・ということか?」
呉用が無意識に郁里の胸に触れた。
郁里が焦る。
呉用「私の考えだけが分かってしまうのか?それとも、誰の考えていることでも分かるのか?」
呉用が自問自答を繰り返す。
呉用「それにしても・・・。女人とは、ここまで柔らかいものなのか・・・」
郁里「呉用さん、触り心地は今は置いておきませんか」
呉用「なっ!?あっ・・・・・・!!」
郁里「呉用さん・・・・・・?」
呉用「そうであった、読めるのだったな・・・」
郁里「い、いえ・・・。呉用さんも、男の人ですね」
呉用「・・・・・・!どういう意味だ!!」
郁里「・・・・・・いーえ、別に」
呉用「・・・っく・・・。とにかく・・・君には人の思考を読む能力がある」
郁里「でも、ときどきしか分からないんですけど・・・・・・。それも、呉用さんのことしか・・・」
呉用「力が覚醒したばかりで、まだ全てが解放されていないのかもしれない」
郁里がフッと視線を下に落とす。
呉用「どうした?」
郁里「もっと、呉用さんの役に立てるような能力だったらいいのに・・・」
呉用「郁里・・・」
呉用は驚いた表情を見せたあと、微笑んだ。
呉用「きっと、君がその力を持っていることにも意味があるはずだ。今は、前に進もう。少しでも、曾家荘から離れたところに・・・」
郁里「はい・・・」
そして二人は歩き出した。
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ヒロインちゃんの能力は、ルートによって変わります(b^-゜)