【智多星・呉用】第四章 第十一話~第十五話 | andante cantabileーまなみんの別カレ日記ー

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※ネタバレしてます!!

※簡易レポです!!



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牢獄に一人でいる郁里。呉用はあの後、曾兄弟に連れて行かれてしまった。

まさかあのまま殺されてはいないだろうかと不安になっていた時、傷だらけの呉用が連れてこられた。



郁里「呉用さん・・・・・!ひどい・・・・・・!こんなに傷だらけに・・・」

呉用「この程度・・・大したことはない」

郁里「そんなこと言ったって・・・」

呉用「奴ら・・・大した情報はまだ掴んでいないようだ」

郁里「梁山泊の・・・?」

呉用「当然だろうな。最重要機密は、全て私と宋江様の頭の中だ」

郁里「ひょっとして・・・それを聞き出すために、拷問を・・・」

呉用「どんなことをされようと、話す気はないが」

郁里「だからって・・・」



郁里は泣き出してしまう。



呉用「・・・なぜ泣く」

郁里「・・・だって、痛いでしょう?」

呉用「君が痛いわけじゃないだろう?」

郁里「でも・・・」



その時、呉用の声が直接頭の中に響いてきた。


(泣くな・・・君を泣かせたいわけじゃないんだ・・・)


目の前の呉用を見ても、何か話している風ではない。

郁里は、気のせいだ、と頭を振った。



二人はこれからどうするかを話し合う。利用価値がなくなれば、必ず殺される。

自分が囮になってでも郁里を逃がすという呉用に、郁里は二人で逃げる方法を考えようと言う。



呉用「私を困らせないでくれ!」



呉用の大きな声に、郁里が体を震わせる。



呉用「あ・・・すまない、つい・・・」

郁里「い、いえ・・・」



呉用が頭を抱える。それは、郁里が初めて見る、呉用が取り乱し、感情をむき出しにした姿だった。



呉用「考えろ、考えるんだ、何か方法があるはずだ・・・・・・!」



郁里は無意識に、呉用の頭を自分の胸に抱え込んだ。



郁里「落ち着いてください!」

呉用「私は落ち着いている!」

郁里「落ち着いていたら、今、大きな声を出すとまずいことぐらい分かりますよね?」

呉用「・・・・・・・・・」



呉用の動きが止まる。



呉用「・・・分かった。・・・分かったから、離せ」

郁里「離しません」

呉用「しかしっ・・・。君の・・・胸が・・・」

郁里「静かにしてください。いいから、呉用さんなら、いいから・・・」

呉用「・・・・・・っ!」

郁里「しばらく、私の鼓動を聞いていてください」

呉用「・・・・・・」

郁里「赤ちゃんは、お母さんの鼓動を聞くと落ち着くんですよ」

呉用「・・・私は赤子か」


1:そうです

2:似たようなものです

3:これしか方法が思いつかなくて←5UPアップ


郁里「これしか方法が思いつかなくて・・・・・・」

呉用「・・・すまない。君には・・・すっかり大人げないところを見られてしまった」

郁里「そんなこと・・・」



次第に、呉用が落ち着いていくのが分かった。

落ち着いてきたものの、二人は今の状況を冷静に考えて真っ赤になる。



呉用「たしかに・・・」
郁里「え?」

呉用「確かに、こうしていると落ち着いてくるな」

郁里「そ、そうですか?」

呉用「・・・君がいた世界では、誰でもこうしてやるのか?」

郁里「ま、まさか!誰に対してもこんなことをしていたら、変なふうに思われちゃいます」

呉用「・・・・・・そうか」

郁里「もし、したとしても、好きな人に対してだけです」

呉用「っ・・・・・・」



呉用が弾かれたように、郁里の胸の中で顔を上げた。

告白みたいな言葉になってしまったのに気づき、郁里は慌てた。



郁里「あっ、いや、今のはっ、その、呉用さんを落ち着かせるために・・・・・・っ、その・・・やむなくやっているだけで・・・」

呉用「・・・・・・そうか」



呉用が少しがっかりした。



呉用「少し・・・考えてしまった」

郁里「何を・・・ですか?」

呉用「ひょっとしたら、前の世界でも、ほかの誰かにこんなことをしているのでは、と」

郁里「!」



郁里は自分が軽い女だと思われたと感じて、落ち込んでしまう。



呉用「そうだ」



呉用は何か思いついたように、自分の着物の襟元を破った。



呉用「これを使おう」



呉用は葉っぱらしきものが入った、小さな包みを出した。



郁里「何ですか、それ」

呉用「これは眠り薬の一種で、いぶり出された煙を吸うと、眠くなる作用がある。これで門番たちを眠らせ、その間に逃げる」

郁里「そんなもの持っていたんですか・・・・・・?」

呉用「何かに使えると思ってな。着物の中に縫い込んでいたのを今思い出した」

郁里「すごい・・・・・」

呉用「策は何重にも講じるものだ。しかし、これからは、逃げ道も何通りも考えておく必要がありそうだな」

郁里「あ、でも、門番たちが眠ったとしても、鍵がないと・・・」

呉用「罪人とはいえ、焼き殺してしまうわけにはいかない。だから、火事になった場合は、まず牢に入っている人間を解放することになっている」

郁里「じゃあ、煙を起こすだけでいいんじゃ・・・」

呉用「逃げ出しても、すぐに捕まっては意味がない。少しでも時間を稼ぐために、眠ってもらう」

郁里「なるほど・・・。それにしても、眠り系の薬をいろいろと持っているんですね」

呉用「以前は毒ばかりだった」

郁里「え・・・・・・」

呉用「殺すのはよくない。そう言ったのは、君だろう?」

郁里「呉用さん・・・・・・」

呉用「まったく・・・君といると、調子が狂うことばかりだ」



そう言うと、呉用は郁里の頬にそっと手を伸ばした・・・・・・。



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第五章に続きます!


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