※ 盛大にネタバレしてます!
※ヒロインの名前は「水口絢子」ちゃんです!
※選択肢は全て5UPのものです!
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自分が何を口走っているのかも良く分からなかった。
ただ、言葉があふれるままに唇を動かしていた。
絢子「キスだって、みんなの前に見せるためにしかしないのに・・・」
気がついていた。
2人のときに、志信さんは私にキスをしない。
夫婦である証拠として、人前でキスをするだけだった。
わかっていた・・・すべては契約、彼の目的のための3ヵ月間の夫婦。
そのための演技なのだと。
有馬「・・・・・・」
泣き続ける私の腕を優しくつかんだ。
絢子「志・・・」
名前は呼べなかった。
唇をふさがれたから。
優しく慰めるようなキス。
一瞬のようで、とても長く感じる。
有馬「勘違いするな」
絢子「え・・・」
有馬「別に、お前が嫌いになわけじゃない」
<選択肢>
1:本当に・・・?
2:じゃあどうして・・・←5UP
3:嘘!
絢子「じゃあどうして・・・どうして触れようともしないんですか?」
有馬「それには理由があるんだ」
どうしてこんなに、この人に触れて欲しいと思っているのか、自分でもわからなかった。
気まずそうに話す志信さん。
その表情をじっと見つめる。
一瞬の沈黙のあと、口を開く。
有馬「いくら割り切っているって言っても、嫌いな女に、結婚なんて持ちかけねぇよ。一度しか言わないからよく聞け」
絢子「は、はい・・・」
有馬「最初は、婚姻届を書かせるだけでいい、と思っていた。籍を入れるだけで」
気のせいだろうか。
わずかに志信さんの顔が赤くなっている。
有馬「でも、途中でちょっと気が変わった。そばに置いておきたい、ってな」
絢子「それって・・・」
有馬「これが恋愛なのかどうかはわからない」
絢子「わからない・・・?」
有馬「俺は生まれてこのかた、女を信用したことがない。信用・・・っていうのも変だな。愛情を信じたことがない。だからだろうな、人を愛せないんだ」
私をつかんでいた志信さんの手に力がこもった。
有馬「だが・・・今は少し、お前のことは嫌いじゃないし、信用してもいいかという気はしてきている」
絢子「志信さん・・・」
ぐしゃっと大きな手で私の頭を撫でる。
乱暴だけど、私の心がきゅっと締め付けられた。
有馬「あと!」
絢子「は、はい」
有馬「他の男の前で泣くな」
絢子「え・・・」
有馬「お前の泣き顔は、そそる。俺以外の男の前では絶対に泣くな」
絢子「泣いちゃったら・・・」
有馬「お仕置きだな」
ぞくりとするような笑みを浮かべて志信さんが言った。
でも、その笑顔は嫌いじゃない・・・そう思った。
有馬「お前を泣かせていいのは、俺だけだ・・・」
そう言って、志信さんは私の唇にキスを落とした。
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有馬「遅いぞ」
絢子「あっ・・・お、おはようございます・・・」
一夜明けて・・・
部屋を出るなり、志信さんと出くわす。
有馬「寝坊か?」
絢子「は、はい・・・」
昨日はなかなか寝付けなかったのだ。
志信さんとのやりとりが繰り返し頭の中をめぐって・・・
絢子「志信さん、お仕事は・・・」
有馬「これから出る」
絢子「いってらっしゃい!」
有馬「ああ」
軽く手を挙げて出て行く志信さん。
昨日のことで、少し、志信さんとの距離が縮まったような気がした。
ただ、気になることもある。
『俺は生まれてこのかた、女を信用したことがない』
あれはいったいどういうことだったのだろうか。
それにあのキスマークだって・・・
客にやられたと言っていたけれど、本当に?
男「絢子様、お時間はよろしいのですか?」
絢子「あ・・・・・・っ!私もそろそろ行かなくっちゃ!」
あわてて、家を飛び出す。
寝坊したというのに、ぼんやりとしている場合ではなかった。
男「お車をお出ししましょうか?」
絢子「ううん!大丈夫!」
駆け出そうとした瞬間だった。
???「有馬絢子さん」
絢子「えっ・・・・・」
フルネームを呼ばれたことで、思わず足を止める。
志信さんと結婚してから、フルネームで呼ばれることなどなかったからだ。
振り返ると、そこに立っていたのは初老の男性。
???「・・・初めまして。絢子さん」
その顔と声に息を飲む。
絢子「あなたは・・・」
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お父さんですな、きっと!