最近心を煩わされることがあって、
そんなときにちょうどお花屋さんの前を通りかかったら、
ふと目を奪われて吸い寄せられる様に一輪のバラを買った。
いつもなら、お花屋さんなんて誰かへのプレゼントという目的以外に目もくれない。
でも昨日は違った。
一輪だけでもいい。
お部屋にお花を飾りたい気分にだった。
「何かお探しですか?」と店員さんに声を掛けられたら、
「一輪でいいんですが、バラがほしいんです」と答えていた。
店員さんとあたしは、在庫の花のショーケースを覗きこんだ。
ピンクや紫など、色々な可愛らしい色のバラがあった。
でも、あたしの目にとまったのは
凛とした佇まいで、そこにあるだけで「私はバラです」と主張しているあの色。
「あの、深紅のバラがほしいです」
「じゃぁこの中で一番質がよくて、鮮度がいいものにしましょう」
たった一輪なのにとても丁寧にラッピングして頂いて、
バラと一緒におうちに帰った。
今朝起きたときも、変わらず「私はバラです」と美しく自己主張している姿があった。
何だか微笑ましかった。
一輪分でも、心の隙間は埋められた気がした。
