こんばんわ。高校時に付き合っていた彼女が体格が良く、好んで緑色の服を着ていた事から「ノイエ・ジール」とあだ名して怒られた事があるホアキン太郎です。
今回は皆さんお待ちかねの「貞子vs伽椰子」評論・感想を書きますよ。
概要
https://youtu.be/6YXCsXL0o34 ←予告編
~jホラーはまだまだ終わらない~.
「化け物には化け物ぶつけんだよ」
90年代、2000年代日本中を恐怖のどん底に叩き込んだ2作のホラー映画があった。
...1本目は「ビデオを見た者は1週間後にテレビから出てきた女性に殺される」という斬新な設定と誰でも持っているテレビから襲撃を仕掛ける事で「もしかして自宅のテレビからも・・」という「尾を引く怖さ」を表現した「リング」。
「ビデオって何すカ?今、DVDでしょ!ブルーレイでしょ!スマホでしょ!VHSとかダビングとか意味不明っすね」という現在のケツの青いティーンも貞子を侮るなかれ。続編ではパソコン画面からも襲撃可能のようにグレードアップしてました。「カマドウマ貞子」という新種も。どんどんギャグ路線に。最近ではグラビアアイドルデビューも。
2本目は「呪われた家に憑りついた怨霊カヤコとその息子トシオが家に入った人間を例外なく殺す」という理不尽極まりない恐怖を描いた「呪怨」。
いや、本当に例外ないですよ。ストーリーに一切関係ない野次馬とか「家のドア開いてますよー大丈夫ですかー」と心配してくれた近所の人とかも殺してましたから。呪怨の面白さは「恐怖のためのなさ」。ホラー映画は基本、恐怖の対象が出現するまでに観客を怖がらせておくんですね。「何かとんでもない奴がいる」という情報与え、恐怖の対象の姿は見えないんだけどその被害者の姿を見せる。不穏な空気を作って作って、ためてためて一発かますのがセオリー。
いいホラー程中々正体が見えず、見えた途端に大暴れするんですね。「鳥」は1時間以上鳥出てこないし、「エイリアン」はエイリアン登場シーンは10分もない。でも恐怖は持続させている。
そのセオリー完全に無視したのが呪怨。10分1回は出てくる。手当たり次第に惨殺。カヤコの声(監督の嗚咽)も恐怖を掻き立てる。お化け屋敷映画。サービス精神旺盛ホラーという新ジャンルである。
続編では加護ちゃんやノリピーが主演を務め「カヤコよりキャストがやらかさないかハラハラする」とも言われた。
この2本が主に「Jホラー」として海外でも評価されハリウッドでもリメイクされた。何が評価されたのかと考えると恐怖の対象の違いですかね。基本的に海外のホラー映画の恐怖の対象は殺人鬼、ゴースト、怪物、宇宙人等。「未知のもの」に対しての恐怖なんですね。日常で宇宙人に遭遇することないですから。Jホラーは「日常に潜む恐怖」なんですね。誰でも持っている物、見たことあるものを通して攻撃をしかけてくる。貞子は誰もが持っているテレビ、カヤコは何の変哲もない近所にありそうな家、「着信アリ」は携帯電話を通して。身近な物で怖がらせる事で見終わった後に「もしかして自分にも・・」という「尾を引く怖さ」がJホラーの魅力なのかなと感じる。
今作は遂にその二人が激突ですよ!アイアンマンとキャプテン・アメリカも戦うし、バットマンとスーパーマンも戦うし・・アリと猪木も放送されたし便乗しちゃえと。おそらく企画会議でノリで盛り上がってそのまま通ったのでは
まぁ、今作はJホラーの権威もへったくれもなくて「昔強かったオッサン同士のプロレス」みたいなもんだと思って軽い気持ちで見ようと乗り込みました。
~評論~
中国には「矛盾」という古い言い伝えがある。商人が商品の矛と盾をどんなものでも貫く矛、どんなものでも防ぐ盾と宣伝する。客から「じゃあ両方ぶつけたらどうなるの?」と言われ返答に困るという笑い話。最強と最強がぶつかり合うとどうなるか?
「企画2秒で考えただろ」と鷹をくくって見たのだけれど案外これが面白いのだ。
「リング」では「ビデオ見た物は1週間後に死ぬ」という設定だったのがいつのまにか「2日後に死ぬ」にグレードアップしお祓いをしようとした霊媒師の首をへし折る流石の貫禄の貞子!
「家に入った人間を誰であろうが180%殺す」という理不尽設定の伽椰子&俊夫は初登場でいきなり小学生4人を皆殺しという八面六臂ぶり。
貞子の呪い設定を二日後にしてるのがうまくてこれによって展開が早く進んでダレない。「リング」だと1週間の内に呪いを説く方法や貞子の経歴を探す事になるが今作はそんな余裕なし。ビデオ見たらもう後ろまで来てるんだこれが。劇中の7割は貞子か伽椰子が誰かを蹂躙しているシーンのため飽きずに見れるのだ。
安藤政信扮するウルトラ胡散臭い霊媒師も「貞子と伽椰子をぶつける。助かるぞ。たぶん。間違えると死ぬけど大丈夫だろ。たぶん。」みたいないい加減なノリで両者をぶつけにいってたのも最高。
「嫌だ!貞子見てないのに死にたくない!」という名言残して死ぬ大学教授、「これは私がやらないと駄目だ!明日明後日の予定全部キャンセルして!」と果敢に貞子に挑んでやっぱり殺られる井脇ノブ子風霊媒師、「ヒメアノール」に続いてまたも悲惨な目に逢い思わず「何で私ばかり・・こんな目に」とそのとおり感想を述べる佐津川愛美、ノリでビデオ見てやっぱり殺られるバイトと殺られる奴等が濃いキャスト。
この映画のオチを考えた人は天才だしすげー馬鹿。爆笑するか、茫然とするか!山本美月も脱ぎますよ!
90年代2000年代初期に世界を席巻したJホラー。まだまだ終わらないぞ!
シャナナナナ!シャナナナナ!オーゥオーゥ!オーゥオーゥ!と叫びながら劇場に走れ!
https://youtu.be/lzzHTR3hgs0 ←まったくやる気がないのが最高のエンディング「地獄のシャナ・ナ・ナ」