こんばんわ、ホアキン太郎です。

 

いやぁ、この前私の勤め先の新卒採用求人サイトを眺めていたんですが、「この求人もおススメ」で提携している会社の中途採用の画面が調べてみると今の私の仕事内容で給料+5万+昇給見込という待遇だったんですね。

 

義理人情等不要!すべてにおいて金を優先する!」とさっそく、その会社の説明会を応募したんですね。

 

するとすぐに人事が飛んで来て「太郎君!この求人応募した?何しての君?え?何してんの?」とどうも人事が共通だった模様。

 

いやぁ、1時間説教食らいましたね。上司にも報告が行き関係もギスギスに。いやぁ、ゴメンネ、ゴメンね~

 

 

というわけで映画の感想書きますよ。

映画「スポットライト 世紀のスクープ」感想・評論

https://youtu.be/h8TwCzA59Lg ←予告編

 

誠実。「実際の事件を題材に」「実録映画」として相当誠実なアプローチをしている映画。

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実際の事件を元にするにしても普通なら「映画的盛り上がり」を狙ってしまう。例えば役者の感情的な演技、露骨な悪人との対立、過剰な音楽・・演出・・。「盛って」しまう誘惑に駆られる。登場人物達を超人、英雄と讃えてしまい「これは事実とは異なる」と手痛い批評を食らう映画が数あるなかこの映画はそれをしていない。

あくまでも記者達が淡々と仕事をしもがき、「キリスト教神父の幼児強姦・隠蔽」という浮かび上がる事実にうちひしがれながらも仕事をし続ける。そこに「盛り」はない。

ある映画サイトではこの映画を「記者版アベンジャーズ」と紹介していたがまるで見当違い。一人一人が超人、濃いキャラクターがあり、八面六臂の活躍をという意味でこう評しているのだろうがそういう映画ではない。この宣伝を見て映画を見てしまうと肩透かしを食らうので適切ではない。

そう、この映画は淡々としている。一見、観客を引き込む要素に欠けるように見えるが徐々に引き込まれていく。被害者達の声(中々事実を語らない演出が絶妙。)、醜悪な教会のやり口。思わず怒り狂いそうになる。

最もうまかったのは主人公達、もっと言えば観客達にも「他人事じゃないぞ」とメッセージを投げ掛けてくる事。記者の通っていた学校にも(アメリカの学校には神父がいる学校もある)強姦神父が在任し同級生が犠牲になっていたこと、記者の自宅近くの教会にも犯罪を犯した神父が着任していることがわかってくる。じわりじわりと「あなた達にも起こり得るんですよ。映画の話、テレビの中の話じゃないですよ」と見せてくる演出。絶妙!

単に「悪党神父をやっつけろ」という所で決着させないのもいい。余りにも教会、神父がひどいためつい「コイツをぶん殴れ!社会的に抹殺してしまえ!」と叫びたくなり、観客の声の代弁としてマーク・ラファロ(熱血漢で狂言回し)がこの映画で一度だけ感情を剥き出しにして叫ぶ。
「今も神父は子供を狙ってる!証拠は掴んだんだ!神父を追い詰めてやる!何で止めるんだ!」と。

それに対してマイケル・キートンは「気は済んだか?個人を叩いても何も変わらない。すぐに次の奴が出てくる。変えるべきはシステムだ」と返す。

何て大人な!でも実際、そうだよねと。例えば今「安倍死ね」なんて叫んでる人々がいるが首相が変わってもまた別の自民党員が出てきて元の木阿弥ですよね。

 

 

人を一人変えたくらいで物事は変わらない、感情的になる前に少し考えろと投げ掛けてくる。何て大人な!

「大統領の陰謀」に構図が似てると思ったら資料を読むと参考にしたらしいですね。似てるもんな。

 

 

配役も素晴らしい。ぶれずに誠実に仕事をし続けるマイケル・キートン、もっとも観客に近い目線を持つマーク・ラファロ、常に被害者に寄り添いながらきっちりと仕事をするレイチェル・マクアダムス、黙々と一人で仕事をしつつ質問にしっかり回答し指示を出してくる「理想の上司No.1」リーブ・シュナイダー。

過剰なキャラづけなんてしなくても「こいつらはプロだ」とわかる。おまえらと仕事したいぜ。アカデミー賞作品賞納得の出来映え。

 

 

映画のアプローチも人間も誠実が一番いいと思い起こさせてくれる傑作。誠実いいですよ、誠実が(転職騒動を起こした人間がしたり顔で言っています)

おすすめです。

 

 

 

 

 

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