ブログを書くのがすっかり月に1回になってしまった。
JUGEMに初代ブログ、「男ですが、乳がんになりました」を立ち上げた時の、1日1本ペースで更新していたのがまるで嘘のようだ。
あの頃は治療も仕事も今よりは格段に忙しく、しんどくて、そして辛かったはずなのに、こうなってみると何を言っても言い訳になってしまう。
そう、ヒトはやろうと思えばたいていのことはできるものなのだ。
そういえば、ヒトの脳みそは「さあ、やるぞ!」というコマンドでは、なかなか体は動かないという話を聞いたことがある。
「さあ、やるぞ!」と思うよりも前に、先に体を動かす。
そうするとあとから脳みそがやる気を出してくれるそうだ。
ある程度年齢を重ねた人なら実体験としてご存じのお話なのだろうけど、凡人が凡人たる所以はこういうところにあるのかもしれない。
さて、前回の診察日から「ブログを書かなきゃ」と思いながらもすでに10日が過ぎた。
それでもまだブログを書く気力が湧いてこなかったが、今日はあれこれ考えずにまずパソコンの前に座り、ブログを書く準備を整えてみた。
そしてここまで打つとようやく脳みそがやる気スイッチを押してくれたようで、明日には今書いている記事をアップできるだろう。
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いつものように市バスで大学病院へ向かうと、駐車場待ちの車が道路上にあふれ出て待機列を作っているような見慣れた光景は今日はなく、代わりにタクシーが数台並んでいた。
院内も混雑している様子はなかったけど、採血はいつもと同じように40分待ちの案内表示が出ていた。
採血後の診察までの待ち時間はいつもと同じくらいかな・・・と、採血結果+αの時間を見込んでいつものように院内カフェで過ごし、1時間ほどしてから腫瘍内科の待合いに移動した。
移動の途中でスマホが鳴った。
ん?誰だろう・・・と思いながらスマホを見ると、今、僕がまさにここにいる「大学病院」からの着信だった。
あーー、嫌な予感がする・・・と思いながら電話に出ると、やっぱりだった。
事務員の女性から、
「いまどちらですか?今日は診察がスムーズなので、すぐに戻ってきてほしいのですが・・・。」
っと、またやらかしてしまった。
教授先生の不機嫌な顔が目に浮かぶ。。。
急いで「腫瘍内科」に向かい、体温と血圧を測ってから受付に申し出た。
ふっと頭上のモニターを見上げると、いつもなら教授先生の名前のところにずらっと診察番号が並んでいるのだが、今は僕の番号しか表示されていない。
ものの1分ほどで僕の番号が呼ばれたので、診察室のドアを開けるなり、
「どうも申し訳ございません。遅くなりまして。。。」
と体をできるだけ小さくして、人生で最大の恐縮をしながら診察室に入った。
「いつもキミはどこで待っているのかね?」
「え・・、あの、院内カフェで。。。」
と、次に高確率で落ちてくるだろう爆弾に身構えながら答えると、
「あー、あそこのカフェはうまいな。スタバよりもよっぽどいいよ。」
・・・。
あれ、あんまり怒っていなかった。
しかし・・・。
「後頭部の具合はどうかね?寝るときに邪魔じゃないかい?放射線をあてることもできるんだぞ。抗がん剤やってみるかい?全体としては悪くなってると思うぜ。」
と、いやなことばかり言うのでCEAの数値でも悪かったのかと思ったが、後で確認すると前回よりも0.5ポイント低く6.8だった。
ははあ・・・。
これは怒っていないと見せかけて、ちょっとした教授先生の嫌がらせかぁ・・・と、気が付いた。
思ってもいないことを言って不安がらせ、僕の反応を見て楽しもうと、僕を待っている間に思いついたに違いない。
まったくいやな野郎だな。
3分間の診察を終え、いつものとおり注射を打ってもらった。
○ ランマーク・・・55回目
○ フェソロデックス・・・32回目
○ リュープリン・・・13回目
そしてイブランスは、31クールを迎えた。