2回目の新型コロナワクチンの接種も無事に終えることができた。
いろんな人から2回目は発熱や倦怠感などの副作用が顕著だと聞いていたが、抗がん剤という最強最悪の副作用を経験済の僕にとっては鼻毛がそよぐほどのもんだろう・・・とたかをくくっていた。
でも、しっかりと罰があたってしまった。

僕の場合だけど、接種当日の夜から微熱が出た。
次の日の夜には38℃まで発熱し、関節痛や悪寒、倦怠感など風邪の総合商社のような諸症状が出てたいそうしんどかった。
骨髄抑制のように熱だけがかーっと上がるのかと思っていたら、しっかり風邪の諸症状までくっついてきて、熱が下がったあともしばらくは体調がすぐれなかった。
しかし接種済の高齢者の感染や重症化の人数が少なくなっている状況をみると、接種が終わってほっとしたというのが正直な気持ちだ。
特にこのすさまじい第5波の中では、「ワクチン接種済」というのが唯一、心の拠り所になる。
この効果がいつまで続くのか、また新たな変異株にどのくらい有効なのかは分からないが、かのアーノルド・シュワルツェネッガーはこう言っている。

「俺は上腕二頭筋(力こぶ)の作り方の専門家だから、自分が何を言っているのか正確に理解している。50年間これを研究してきた俺ほど二頭筋について詳しい人間はいない。ウイルスについても同じで、何年も何年も研究している専門家がいる。なぜそんな人を信じないのか?」

との言葉のとおり、専門家って言うのはそれほどすごい人たちなのだ。
そんな多くの感染症の専門家の言葉に耳を傾けず、どこから取り寄せた情報なのか根拠のないデマに惑わされ、「打たない自由がある・・・」なんてのたまう浅はかな人(・・・ウチの弟夫婦です)を聞くと、イライラが止まらない。
「自分たちだけよかったらいい」と本気で思っているのだとしたら、我が弟ながら情けない。
無症状で感染している可能性があることくらい分かっているはずなのに、絶対に他人にうつしたくないと思っているのだったら積極的に接種を受けるべきだろう。
弟のみならず、義理の妹の「打たないのは私の意思です」と言い切った彼女には心底がっかりしてしまった。

こんなことを書いていると、抗がん剤を全力で否定する人たちと似かよった部分があるなぁと思えてきた。

以前にも書いたけど、170万年前の化石からがんの痕跡が発見されたという。
以来、数えきれないほどの多くの研究者ががんに闘いを挑み、この世のありとあらゆる治療法を試した結果が、現在の「標準治療」に集約されているのである。
世の中には何でも自分の体で確かめないと気がすまない・・・なんていう奇特な人もいるが、そこに多額のお金をつぎ込んで、一つしかない自分の命を懸けてまで試してみようという気持ちはまるで分からない。

ヘタレな僕のことだから、辛い治療から逃げることがいけないとは言わない。
でもこの病気にかかった以上、びわの葉っぱを張り付けて治そうなんて思っちゃいけない。
超自然食を食べて治そうなんて思っちゃいけない。
がんはそんな甘い病気じゃないよ。
そんなことは何千年か前の先人たちがすでにやっていて、まるで効果がなかったことを証明している。

全力で標準治療をやって、それで助からなかったらそれはその人の寿命ってもんだよ。