1 コロナワクチン
郵送でコロナワクチンの接種券が届いた。
心待ち・・・にしていたわけではないが、手元に届けばすぐに接種しにいこうとは思っていた。
接種しても手洗いやマスク、密を避けるということが免除されるわけではないはずだが、先日乗ったタクシーの運転手さんがこう言っていた。
「ワクチンを接種したから大丈夫!」と言う高齢者の、県内/県外からの観光旅行が増えてきている・・・と。
旅行を否定するつもりはないけど、「ワクチンを接種したから大丈夫!」と言うのは早計ではなかろうか。
例えコロナが収束したとしても、人の飛沫がどれほど拡散するのかが明らかになった今、僕はもはやマスクを手放そうとは思わない。
もともと、6年前の抗がん剤治療の時から漫然とマスクをつけてきたのだが、今では人の飛沫をより一層意識するようになった。
だって会話をするだけで知らないおっさんの飛沫を吸い込んでるんだぜ・・・ふつうに気持ち悪くないかい?
これまで目に見えなかったものが見えるようになっちゃったおかげで一生涯マスクを手放せなくなっちゃったけど、僕は飛沫というこれまで気にしなかったものが明らかになってよかったと思っている。
で、ワクチンの話だが、ぼくはかかりつけの病院で接種しようと思ってわざわざ病院まで出向いて予約をしてきた。
混乱を避けるためか、電話やネットでは受け付けていなかったのだ。
やれやれ、これで注射ができる・・・と思ったのもつかの間。
先日病院から電話がかかってきて、「報道のとおり、ワクチンの在庫が不足しているので強制的にキャンセルさせていただいた」と・・・。
新聞を読んで半ば覚悟はしていたけど、やはり失望が大き過ぎて思わずムッとしてしまった。
でも、これは病院に文句を言ってもしかたがない。
できるだけ物分かりのいい人を演じて、おとなしく電話を切った。
再開は未定だと言う。
妻が接種する病院では、最初に予約した接種期日を早めることでワクチンを打つことができるとのことで、ついでに「基礎疾患がある主人も接種できますか?」と尋ねたところ、「だいじょうぶ」との返答を得た。
これでなんとか接種できそうだ。
2 去勢手術
手術前日の夜ごはんを抜き、当日の朝からは絶飲食にして、約束の時間に彼を動物病院に連れて行った。
いつもの診察室に入ると、小さな手術台に何本かの注射器、麻酔用のマスクなどが目に入った。
てっきり無影灯があるような手術室で手術をするものだと思っていたが、いつもの診察室でやっちゃうのね。
「よっこらせっ」と、すっかり体を強張らせて怯えている彼を、手術台とは別の体重計が付いている台の上に抱っこして乗せる。
すかさず看護師さんがお尻の穴に体温計を突っ込んで体温を測る。
奥から先生が出てくると、手術後の諸々の注意事項などをお話いただき、「よろしくお願いします」と言って、動物病院を後にした。
「いい子にしてがんばれよっ」なんて彼に声を掛けると、いつもとは違う飼い主の雰囲気を察して余計に不安がる恐れがあるので、ふつうにさらっと診察室を出たけど、不覚にも涙がこぼれ出た。
「泣いてるの?」と妻が尋ねたけど、「別に・・・」と、なんとか声にならない声を出して車に乗り込んだ。
去勢手術は、皮下を切開するだけの簡単な手術だそうだ。
手術自体はものの数十分で終わるが、全身麻酔をかけるので術後のケアが大事になる。
12時に病院に預けて、次に彼を迎えにいくのは19時だった。
彼のいない犬小屋だけの部屋を見るとまた泣きそうになったが、彼が帰ってきたときに落ち着いて休めるようにと、ケージやその周りをキレイに掃除しておいた。
絶飲食は明日まで続くので、今は点滴をたっぷりしているはずだ。
(こういうのは人間と同じなんだな)って、6年前の僕の術後を思い出した。
お腹が空くのはともかく、喉の渇きだけは看護師さんを恨みそうになるほど辛かった。
16時ごろ、獣医師の先生から、手術が無事に終わったことと、麻酔が覚めつつある旨のお電話をいただき、とりあえずほっとした。
19時・・・いや、気が急いて18時40分くらいには病院に着いたのだが、まだ前のわんこの診察が終わっておらず、やっぱり待たされてしまった。
そして彼との対面。
いつもの彼なら僕たちを見ると二本足で立ってぴょんぴょん跳ね、尻尾をぶんぶん振り回して全身で喜んでくれるのだが、今の彼は手術創をなめないようにエリザベスカラーを付けられ、台の上で伏せの姿勢のままよろよろと力なく尻尾を振っていた。
術後衣というものがあって、これを付けると手術創を押さえ、かつなめるのを防ぐとのことで、その場で購入し、着させてもらった。
彼に初めて着させる服が術後衣とは・・・と思ったが、あら、かわいい。
いや、でもこれはやっぱり人間で言うところの入院服だね。
でも服を脱がせなくてもちゃんとおしっこもうんちもすることができる。
彼にとってはうっとおしい限りだろうけど、一週間後の抜糸まではなんとか辛抱してほしいな。
「さあ、帰ろう・・・」と彼を検査台から床に下ろすと、よろよろとふらつき、ときにはどすんと尻もちをつきながらなんとか自動扉までたどりついた。
抱っこしてもよかったんだけど、抱っこしてうっかり手術創に触れるのが怖くて車までは自分で歩いてもらった。
鎮静剤の影響は2日ほど続くらしい。
家に帰ると、ケージの中でこんこんと眠りについた。
「おつかれさん、ゆっくり休んでね」
3 誕生日
49歳になった。
50歳と言う節目の年だったらまた違うのかもしれないが、特に感慨深くもない。
ちなみに年上の妻は今年、還暦を迎える。
ワクチンの接種券が僕よりも早く届いたので判明したのだが、こっちのほうが感慨深かった。
このブログで何度か書いたとおり、僕のよく当たる予知夢によれば、僕は50歳前後で死ぬことになっている。
今のところ薬がよく効いてくれているのでそんな気配は微塵も感じないけど、この病気は月単位で急変することがある。
49歳の誕生日を迎えて感慨はわかなかった反面、緊張感だけは高まった。
いよいよカウントダウンかと思うと、より一層身辺を整理することと、少しでも理想の自分に近づけるように毎日を丁寧に生きていかなければ・・・、と改めて心に誓う。
あ、そういえば・・・。
今しかできない・・・と思って、髪の毛を染めてみた。
「アッシュグレイ」の5番をお願いしたのだが、仕上がりはなぜか金髪に近いものだった。
でも、僕は気に入っているし、妻もまんざらではない口ぶりだった。
散髪屋さんは、染めちゃっても会社は大丈夫ですか?と心配してくれたが、会社に行くときはヅラ着用であることをカミングアウトしておいた。
次は、緑色に染めてやる。
そしてその次は紫色にしてやる。。。。