僕もそうだけど、骨髄抑制の副作用を持つ薬を利用したことがあるがん患者は、感染症を予防するためにいろんな諸注意を受けたことがあるだろう。
主治医や専門看護師にもよると思うが、国立がん研究センターのがん情報サービスから引用すると・・・。
○ 手洗い(食事の前、トイレの前後、外出から帰ったときなど)
○ うがい(朝起きたとき、外出から帰ってきたとき、食事の前など)
○ 体を清潔に保つ
○ トイレの後の陰部洗浄
○ 皮膚を乾燥させない(ローション、クリームなどによる保湿)
○ 食後、寝る前の歯磨き
○ 風邪、百日咳、水ぼうそうの人には近づかない
○ 切り傷に気を付ける(ひげそり等)
・・・等、口や皮膚、尿路、肛門からの感染に注意しなければならない。
※ マスクを着用することによる予防効果は限定的だからなのか、マスクの着用や人混みを避ける・・・っていう記述はここにはなかったな。
なにしろ白血球の数がぐっと減少するので、病原菌(細菌)に対する抵抗力が弱くなるのだ。
下手すると血液中に病原菌が入る菌血症や、病原菌が生産した毒素によって中毒症状を起こし、臓器や全身に感染を生じさせる敗血症になる可能性がある。
僕もかつて抗がん剤中に高熱を出して救急を受診し、白血球を作る注射を打ってもらったりしたのだが、最終的には抗がん剤の所定の用量を減らすことになってしまった。
抗がん剤は安易に減薬することなく、副作用を抑えながら決まった量を打たなければちゃんとした効果が得られないと思っていただけに、当時は減薬に大きな抵抗があった。
今でも骨髄抑制の副作用があるイブランスを経口服用しているので時々発熱したりするが、1週間の休薬期間中にしっかり白血球が戻ってきているので、何とか減薬は免れているところだ。
病気前の僕はマスクなんて息苦しいものは大嫌いだったし、手洗いだって人並みにしかしていなかった。
しかし何にでもビビる僕は、5年前の抗がん剤からマスクを着用するようになり、小まめに手洗いし、除菌ウェットシートを持ち歩き、机の上には消毒用のアルコールを置くようになった。
抗がん剤が終わった後もこの習慣はずっと続いていて、マスクなどはアマゾンの定期おトク便で継続購入している。
除菌グッズが品薄になった今、数か月分の在庫があるというのはありがたい。
マスクに感染予防の効果はあまりないという話は以前から聞いて知っていたが、ウイルスは防げなくても電車の中での他人のくしゃみや咳の飛沫、おっさんの口臭には気休めでも効果があると信じている。
アメリカ人がマスクをしないのは、マスクに予防効果がないことを分かっているかららしい。
マスクは感染者が感染を拡大させない為に着けるもの・・・という認識なので、マスクをしている人には近づかないと言う。
新型コロナウイルスの感染力は恐るべきものがある。
しかしこれが流行する以前からがん患者は可能な限り感染症の予防に神経質なほど気を遣ってきたのだから、今の状況を淡々と受け止めているのではないだろうか?
我が社でも本日から時差出勤が認められ、イブランスを服用している身分としてはちょっとほっとしている。
僕は朝7時に出社し、16時に帰るパターンを選択するつもりだ。
・・・なんてこれまで殊勝なことを言ってきたが、昨夜はスーパー銭湯に行ってきたし、生ものだって普通に食べているし、ジムに行けば激しく呼吸もしています。
新型コロナウイルスが終息すれば普通の人は普通の生活に戻るのだろうけど、ステージⅣのがん患者は一生感染予防に気を遣わなくちゃいけないので、自分がずっと続けられるような形でこれからも感染予防をがんばっていこうと思っている。
このタイミングで・・・。
アマゾンプライムビデオで、1995年にヒットしたダスティン・ホフマン主演の「アウトブレイク」という映画を見た。
この映画は以前にも見たことがあり、当時、あまりにも面白かったので映画の元になった「ホット・ゾーン」という本を買って読んだほどだ。
久しぶりに見たけどこのタイミングなので他人事という感じがせず、リアルに映画の中に入り込んでしまった。
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映画はエボラのような謎の出血熱が発生した・・・という設定だが、アフリカの小さな村で発生した時にはアメリカ軍が気化熱爆弾を落とし、手荒なことに村ごと壊滅させてしまった。
そしてその時に患者から採血した血液で、アメリカ軍は生物兵器を極秘裏に製造していた・・・。
時は流れて現代となり、またアフリカの小さな村で謎の出血熱が流行した。
感染力の強さと罹患すれば致死率の高いおそるべきウイルスだが、そのウイルスを持ったサルが捕獲され、アメリカに輸入されてしまう。
サルを輸送している時にサルが飲んでいた水を吹きかけられ、感染を知らずに飛行機に乗り、迎えに来た恋人とキスをする。
サルに引っかかれた店主、そして具合が悪くなった店主から採取した血液を検査中に誤ってかぶってしまった技師は映画館に行く・・・。
飛沫感染によってどんどん感染が広がっていき、とうとう町は軍によって閉鎖されてしまった。
生物兵器として保管されていたが同時に血清も作られていたのだが、ウイルスはアメリカに持ち込まれて変異し、空気感染するようになっていた。
こうなるとウイルスを持った宿主のサルを探し、新たに血清を作るしかない。
しかし軍の上層部による策略でアフリカと同じく、気化熱爆弾で封じ込めるという大統領命令が下されてしまった・・・。
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というのがあらすじだが、この時期に見ると不謹慎?になるのかもしれないが、逆にこの時期だからこそ感染の恐ろしさがよく分かるので、機会があれば是非見てほしいと思う。