2014.5.7に乳がんを告知された時、僕は先輩方が作った乳がんのありとあらゆるブログを読み漁った。
当時のがん化学療法認定看護師さんは、
「そういうのって、あまり読まないほうがいいよ」
って忠告してくれたが、僕は聞く耳を持たなかった。

僕はこれからどうなっていくのだろうか・・・?
僕はこれからどんな治療を受けるのだろうか・・・?

予め知っておくことで心の安定を求めようとしたが、いいことが書いてあったら(この人はたまたまラッキーだったのだ)と読み捨ててしまい、悪いことが書いてあると(やっぱりな)と絶望した。
心の安定を得られるどころか、僕は這い上がることのできない奈落の底へ自ら落ちていった。

術後、腋窩リンパ節に20個の転移があったことがわかり、当時の主治医から、
「再発のリスクは高いほうの中でも高いです。これからきっつい抗がん剤をやってもらいます」
と言われ、EC療法を4クール行い、その後、体が悲鳴をあげるまでアブラキサンを施行した。
おかげで頭髪は永遠に失われ、今でも手足には痺れが残り、足の爪がひん曲がって伸びてきたので何年も陥入爪に苦しむことになった。

手術から1年が経過し、ハーセプチン7回目とタモキシフェンの施行が始まった頃、2015年4月6日に僕は初めて闘病ブログをJUGEMに立ち上げた。
僕に続く「男性乳がん」というちょっと珍しい病気にかかった男性諸君に、僕がかつて体験したことや考えたことを記録し、参考にしてもらえればいいな・・・という思いからだった。
体に関することを書くのだから、できるだけ詳しく、正確に書こうということを一番に心がけたのだが、それが返って仇になった。


珍しい「男性乳がん」だから、身バレには気を付けよう・・・と、自戒していたつもりだったのに、いつの間にか調子に乗って病気以外のことまでせっせと書くようになっていた。

それも、極めて正確に…。
どうせ書くのなら読んでもらわなければ意味がないと、検索エンジンにだって登録した。
そりゃもう、身近な人にバレるのは当たり前で、こういう失敗を2回繰り返した。

昨今記事にしたように僕の再発乳がんはゆっくりと進行し、レトロゾールの壁を2年半という歳月をかけてコツコツと壊し、ついに崩壊させてしまった。
これまでの遅れを取り戻すかのように、新たに悪さを始めたのが肺。
今まで皮膚やリンパ節、骨といった直接命に関わらないところへの転移だったのに、とうとう臓器に触手を伸ばしてきた。
今度CTを撮ることになっているが、ひょっとしたらまた新たな臓器への転移が発見されるかもしれない。

癌と戦う武器がどんどんダメになっていくなか、僕の治療はまた新しいステージに移った。
これまでは3分間診察だったのに、レトロゾールに耐性が確認された後から教授先生の顔が引き締まり、血液検査の値を一つ一つ慎重に見るようになった。
闘病ブログとしてはまさにこれから面白くなるところ・・・といったこの時期に、僕はブログをアメンバー限定公開にすることを決意した。

ブログを限定的に運営をすることは、ブログ開設の目的から言っても本意ではない。
しかし、正確さを追及すればするほど、自分のプライバシーが白日の下に晒される可能性が高くなるのも事実だ。
かつてやったようなブログの引っ越しを行う気力はすでになく、このままだと遅かれ早かれブログを閉鎖してしまわなければならない時がくるんじゃないかと恐れている。
僕なりに心血を注いで書いてきた記事の全てが水泡に帰す
・・・それだけは避けたいと思っていて、今回、信頼できる人にだけ読んでもらえるよう、全ての記事をアメンバー限定に改めることを決めた。


僕の脇の甘さが招いたこととは言うものの、苦渋の決断です。

次にアップする記事から、アメンバー限定公開になります。


-------------------------------------------------------
アメンバーの承認は、
○ プロフィールやブログをきちんと書いていらっしゃる方
とさせていただいていますが、その他、事情がある方についてはメッセージをいただければ個別に対応させていただきます。

逆に、
○ 商売っ気のある方、
○ 記事やプロフィールの記載がないアカウントのみの方、
○ その他僕の主観でNGの方
は承認しないつもりですので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

いたち:man.b.cancer@gmail.com