いつまでも抜けないぐったりとした疲労感と全身倦怠感の原因を探ってみると、どうやら男性更年期障害と症状がよく似ていることがわかった。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)という漢方薬がそういった症状に効果があると聞いた僕は、さっそくアマゾンで2か月分を購入し、現在も朝晩の2回、服用しているところである。
飲み始めて1か月が過ぎたが、その効果はというと。。。
プラセボ効果もあるかもしれないが、ぐったり感が少しマシになってきたような気がする。
これはもう少し飲み続けてみたいなと思ったので、次回の診察日に教授先生にお願いして、この漢方薬を本格的に出してもらおうと思った。
が、それには一抹の不安があった。
教授先生が漢方薬をどう評価するかである。
プライドと自信をもって薬を出している教授先生に対し、患者の分際で「この薬が欲しい・・・」なんて言うと、また逆鱗に触れるのではないかと、病院に行く前日に妻と話し合っていた。
たかが・・・と言えば語弊があるが、漢方薬である。
がん薬物療法のプロである教授先生から見れば、気休め程度のもんだろう。
だからそこまで教授先生が神経質になるかな・・・とも思ったが、とりあえず話の切り口は妻からとし、
「この人(僕のこと)がネットの評判を見て、勝手にこんな漢方を飲んでいるのだが大丈夫か?」
という相談風に持ち掛けてみることにした。
漢方薬一つ欲しがるのに、主治医にこれだけ気を遣わなければいけないなんて、やっぱこの関係はおかしいね。
ちなみに、病院が処方する医療用の漢方薬もアマゾンで売っている漢方薬も成分は同じらしい。
違いは医師が処方すると健康保険の適用になるくらいのものだ。
さて、診察日当日。
この日は血液検査のなかの生化学の分析装置が故障したようで、その影響のせいかものすごく待たされた。
病院到着から3時間後、ようやく呼ばれた僕と妻は、教授先生の前でしか見せないとっておきの笑顔と愛想を振りまきながら診察室に入った。
気になる腫瘍マーカーであるCEAは9.7で横ばいだった。
一時は「もうだめか」と思ったが、気丈にもフェマーラがまだ持ちこたえてくれている。
これがステージ4の「がんと共存する」ってことだなっと、教授先生に感謝するのはイヤなので、亡くなったおじいちゃんに感謝しといた。
教授先生が、
「ランマークは今日で何回目だ?」
と聞くので、カルテ開いたら分かるでしょ?と思いながらも、
「今日で22回目になります」
と模範応答。
それくらいの質問は想定済で、家を出る前にちゃーんとチェックしてある。
教授先生曰く、
「ランマークももう2年になるかぁ。あんまりやりすぎると骨が硬くなってしまって、逆に骨折しやすくなるんだよ。エビデンスはないんだけど、整形外科医が手術した時にそう言ってるんだな。どうする?少し間隔をあけるか?」
って言うので、1本でも注射が少なくなるのは大賛成だけど、そこは教授先生に任せた。
あと、CTも撮りたがっていたけど、また病院に行くのが面倒だし、自覚症状がないからとモゴモゴしていると、
「あなたの場合はマーカーも変わってないし、症状もないようだからそんなに間隔詰めて撮らなくてもいいか」
と、これは免除になった。
さて、最後に・・・。
妻が打ち合わせどおり漢方の話を切り出すと、僕はカバンの中からサンプルとして1本だけ持ってきた「補中益気湯」をさっと取り出した。
教授先生は、
「あー、これか。よく目にする薬だね。漢方薬も飲み合わせによってはよくないこともあるし、僕はイヤだね。こんなものを買うんだったら、うまいものを食ったほうがいいぜ!」
はい、撃沈。
-おまけ-
術後薬物療法で、僕は当時の主治医からECを4クール、アブラキサンを8クール(副作用の限界まで)投与されたが、アブラキサンって通常は4クールで、その倍を打たれたっていうのは過剰投与なんじゃないかとずっと疑っていた。
僕に髪の毛が生えてこないのも、指先の痺れがいつまでもとれないのも、この過剰投与のおかげで徹底的に細胞が破壊されたんじゃないかと。
過ぎてしまったことだからもうどうでもいいのだけど、薬物療法のプロである教授先生はどう思うのかを聞きたかったのだ。
教授先生は、
「ECのあとにアブラキサンを打つって言うのは、また随分はりきったものだねぇ。」
と、どうでもいい質問にはどうでもいい答えが返ってきた。
ECのあとのパクリタキセルは標準的なレジメンだと思うが、教授先生はそれすら否定された。
こういうことって素人の理解を超えているね。
もう僕には何がなんだかよく分かりません。