前回の診察で、左頸部にこれまで触れたことのなかったしこりを見つけたことを話すと、我が教授先生はその場で触診をして、
「大騒ぎするほどのものでもないと思うけど、一度CTを撮ってみるか。半年ぶりだしね。」
と、オーダーを入れてくれた。

僕は再発乳がん患者だが、教授先生はあまり検査を入れない先生だと、以前看護師さんか技師さんにうかがったことがあった。
確かにこの大学病院に転院して全身スキャンをした後の一年間は、血液検査以外の検査を全くしなかった。
(これでいいの?)って思ったけど、血液検査で腫瘍マーカーの上昇がなく、また痛いなどの自覚症状がないのなら検査をしても無駄・・・という教授先生の説明に納得した。
僕にしても不必要に痛い思いや被爆はしたくない。
そんな教授先生だったから、「半年ぶりだからCTを撮ってみるか」と言ったのには驚いた。
しかもその3週間前には骨シンチの検査だってしていたのだ。

タモキシフェンが効かなくなり、今のフェマーラに薬を変えたのが2017年1月17日だから589日・・・1年半以上が経過した。
ホルモンレセプターが陽性であってもホルモン療法の効果は人それぞれだし、しかも男の僕にフェマーラがどこまで効くのかは教授先生でも未知数だと言っていた。
1年半以上も効いてくれているのは僕自身も予想外だったが、教授先生は口には出さないが、豊富な臨床経験から「そろそろじゃないか・・・」と思っているのではないだろうか。
だからこそちょっとした僕の訴えにも「検査してみるか?」ってことになったのではないだろうか?

骨シンチの検査では、僕は異常がないことを半ば予想していて現にそのとおりになったが、今回は確実に頸部にしこりがあるのだから
「異常なし」・・・ではすまないような気がしている。
腫瘍マーカーは劇的に上昇していないので、体内にあるこれまでの腫瘍は大きくなっていないとは思うが、小さなものが新たにぽつりぽつりとできていてもおかしくはないだろう。

 

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僕の会社は午前休と午後休とを選択することができる。
午前休だと9時から14時まで、午後休だと13時から18時まで休むことができるのだが、今日のCTの予約は13:40から。
午後休だと病院に間に合わないし、午前休だと会社に間に合わないので泣く泣く1日休みを取った。
以前、教授先生からは、
「自分の都合を合わせるんじゃなくって、病院の都合に自分の予定を合わせろ」
と強くカマされたことがあって、それからはなかなか自分の都合を言うことができなくなった。

上場企業の部長ともなれば、ある程度自分の裁量で仕事の進め方を決められると思っていたが、逆に幹部になると部下の目が気になって少しもヤマシイことができなくなった。
部長でなければ上司に、「少し病院に行ってきたいので、中抜きしてもいいですか?」って許可を取るのだが、自分の行動を自分で決められるようになると、かえって行動範囲が狭まってしまった。
部長になって気づかされたことの一つだ。

ともあれ、我が大学病院は検査だとあまり待ち時間もなく、1時間ほどで病院を出ることができた。

次の診察日は3週間後。
どんな結果が待ち構えているのやら。。。