今日はNPO法人日本ベジタリアン協会が主催する映画の上映会に行ってきた。
映画のタイトルは、「FORKS OVER KNIVES」。
映画の内容は下記のリンク先を見ていただきたいのだが、端的に言えば菜食主義者の優越性と食の欧米化が招く危険性を、客観的なデータから医者と研究者が解説する内容になっている。
すでに菜食を心がけている僕にとって、映画の内容自体はさもありなんといったところで、特に印象に残るものはない。
上映後、そのまま参加者が車座になり、映画の感想などを互いに発表する座談会が開かれた。
以下、参加者の自己紹介と感想を要約する。
(60歳くらいの女性)
「娘がバリバリのVeganで、ダシはおろか着ているものまで動物性を嫌がり言い争いが絶えない。今日はベジタリアンというものを勉強しにきた。」
(40歳くらいの女性)
「1ヶ月前からベジタリアンを実践するようになった。きっかけは動物を食べたくなくなったからだ。今では飼ってる犬や猫にもベジタリアン用のペットフードをやっているし、主人にも肉を食べさせていない。保育士をしているのだが、給食に牛乳を出して無理に幼児に飲ますのはおかしいと思う。」
(30歳くらいの男性)
「僕はバリバリのVeganやってます。」
(25歳くらいの女性)
「女性の病気を機に、肉食と乳製品を取らないようになった。前から可愛がっているペットを見て、肉食を疑問に思っていた。」
(35歳男性)
「Veganになったきっかけは今から6年前で、寝ていると突然動物が“と殺”される場面が現れた。」
(50歳くらいの女性3人組)
「今日は誘い誘われて来た。菜食に関してなかなか家族の理解が得られない。」
などで、ベジタリアン歴も動機もさまざまだった。
彼らの話を聞いていて僕が感じたことは、菜食を体や健康のためという理由だけでなく、動物愛護精神や環境問題、更には神秘体験にまで紐付けておられる方が多いという印象を持った。
彼らの意見や思想は尊重するが、菜食を健康のために実践したいと思っている僕にとってはそこらへんの話は全く興味がない。
そんな中、協会の会長さんはきちっと栄養学を学び、論文や著書を発表している方だけあって、説得力のある話が聞けた。
僕が質問したのは、肉からしか摂取できないと聞いていた「ビタミンB12」のことだった。
会長さん曰く、
「ビタミンB12は海苔や海藻、発酵食品からも摂取することができ、日本人なら自然に摂取することができる。
栄養学的に見て、肉を食べないと取れない栄養素はない」
とのことで、今回参加した中で一番の収穫は、この話が聞けたことだった。
人間は動物のように本能で食事をとらないだけに、食のこだわりは人それぞれ強い。
僕自身、大好きな物を目の前にして、「塩分やカロリーが高い」「揚物は控えて野菜も食べて」など妻から口うるさいことを言われ、拗ねたことも一度や二度ではない。
それに人から言われたからといって、心底自分が納得しないと、今までの食習慣をガラッと変えることなんてなかなかできない。
食事を何回取るのかも含め、何が正しいのか明確な答えというものはないし、「食」には様々な意見があるだけに難しい。
ただ、間違いなく言えるのは、無知や無関心ではいけないので、いろんな情報に接し、よりよい食生活を自分なりに確立するということが重要ではないだろうか。