2015.12.15
先日受けた上腹部のCT画像の検査結果を主治医に伺うのと、これからの治療方針を話し合うために病院を訪れた。

1週間前、最後のハーセプチンを受けた時は感慨深い感じはしなかったのだが、今日でホントにこの病院が最後だと思うと少し寂しく感じた。
思い返せば昨年の5月7日に癌の宣告を受けて以来、少なくとも毎月1回はこの病院に訪れていたのだからそう感じるのも不自然ではあるまい。
自宅から歩いて5分という至便性があるから、もし再発が確定すれば再び戻ってくる可能性も無きにしも非ずだが、今日でこの病院は一旦終わりになる。

呼び出しを受けて診察室に入ると、先生はパソコンの画面に僕の上腹部の輪切り画像を表示させながら、特に指摘するような病変はないとのおっしゃった。
腫瘍マーカーも正常値だったが、やはり1CTPだけが5.9と高値を示していた。
しかし直ちに何かをしなければならないというような結果ではないとのことで、これについては僕もそんなに心配はしていない。

主治医もこれからの治療をどう進めたらいいのかを考えてくれたみたいで、次の病院でPET-CTの検査を受けることをお勧めしたいとおっしゃった。
なんでも、CTでは分からない癌がPET-CTでは分かるらしい。
僕も検査を受けてみたいと思う反面、受ければきっと癌の転移が見つかるのだろうなぁと、不安な気持ちも大きい。
「見ぬが仏、聞かぬが花」と言うではないか。
見つかればすぐにまた抗がん剤が始まるが、知らなければ症状が出てくるまでは健康な振りをして生きていける。

この1週間、僕は僕なりにこれからの治療のことを考えていた。
転移がはっきりと確認されていない現状では、これまでどおり、ポートのフラッシュとホルモン療法、そして定期的な経過観察でいいのではないかと。
そしてこれは混雑している大病院ではなく、乳腺の専門医が開業しているクリニックでフォローをしてもらう。
今、候補に挙げているクリニックの先生は、某大学病院のご出身で強いパイプを持っているらしく、クリニックで対応できないことは、スムーズに大学病院を紹介していただけるようだ。

このことを主治医に話すと主治医も理解を示してくれ、早速紹介状を書いていただけることになった。

終診間際、主治医に左鎖骨を触診してもらった。
自分で触るとなにかしこりのようなものを感じていたので、一度見てもらいたかったのだ。
主治医は嫌な顔せず念入りに触診してくれたが、特に触れるようなものはないとのことだった。

最後に心ばかりのお礼の品を差し上げ、また戻ってくるようなことがあればよろしくお願いします・・・ということと、これまでの感謝を申し上げて診察室を後にした。

帰り際、ケモ室のがん化学療法認定看護師にもご挨拶に立ち寄った。
看護師さんは、「パワーをあげるね」と言って、僕の手を両手で優しく包み込んでくれた。
術後、すぐに病棟へ足を運んでくれて以来今日まで長いお付き合いだったが、最後まで優しく、そして頼りになる看護師さんだった。

来週、地域医療連携室で主治医の書いた紹介状と診療データを受け取り、できれば2015年度中に新しいクリニックを訪問したいと思っているが、その様子はまた後日アップする。