2015.8.20(木)
陥入爪を相談するため、現在の治療を受けている病院の皮膚科へと向かう。

両足の親指が、アブラキサンの副作用と思われる陥入爪になってから3ヶ月が経過した。
2015.6.8の日記には、
「両足の親指に不良肉芽ができて化膿しているが、皮膚科では軟膏しか処方してくれない」
と、愚痴交じりに書いていた。
状態は今も全く改善しておらず、足全体に広がる痺れとこの陥入爪のせいで、ちょっと何かにつまずくだけで激痛が走り、その場にうずくまってしまい数分は動けなくなる。
自宅では妻が不用意に近づいて僕の足を蹴飛ばさないよう、僕の半径1メートル以内に入るときは「危ないよー」と、声を出してもらってるほどに警戒をしている。

両足の親指に絆創膏を2重に巻いて外出することが日課となり、ロキソニンは朝昼晩と3錠飲んでなんとか耐え忍んではいるが、自宅に帰ると絆創膏には膿みとピンク色の浸出液で滲み、特にお風呂上りなどは肉芽が破れ、ぼたぼたと流血することもしばしばだった。

なんとかならないかと、当時の主治医に相談しても、「仕方ないねー」とまともに取り合ってもらえない。
がん化学療法認定看護師が皮膚科医に直訴してくれたが、ハーセプチン投与中は手術はしない(切らない)と、にべもなく断られてしまっていた。

そんな状況だったので、僕は早く新しい爪が生え、この激痛から逃れる日をひたすら夢見ながらただ毎日を耐えるしかなかった。

しかし、先日受けたセカンドオピニオンの先生が、「当院ならばっさりと切りますよ」と言われたことを議事録にして病院に渡したことで、もう一度がん化学療法認定看護師ががんばってくれた。
それに主治医が退職して、新しい主治医に変わったという事情もある。
そこで今日、僕はもう一度皮膚科の扉をノックしたのである。

皮膚科の先生は電子カルテに目を通しながら、
「主治医やがん化学療法認定看護師からお話しを聞きましたが、爪の状態は変わっていないようですね。ハーセプチン中に手術をしても、また爪が歪んで生えてくる可能性があるので、今切っても仕方がないと思うんですよ。」
と従来からの主張を繰り返す。
僕は新しい爪が少しずつ生えてきているのでこのまま耐えたほうがいいのか、それとも思い切って手術してもらったほうがいいのか迷っているとお話ししたところ、
「ハーセプチンが終わるまでまだ4か月もあるんですね。(しばらく悩んで)それでは思い切って手術をしてみますか」
と、ようやく重い腰を上げてもらえることになった。