なぜだか分からないが今朝は起きたときからイライラしていて、子供のように(今日は病院に行きたくない)という気持ちが強かった。
毎月の病院通いにもすっかり慣れて淡々とこなしてきたつもりだったのに、突然の不思議な感情の湧出に自分自身も驚いたが、同時にこういう時は何か嫌なことが起こりそうな予感がした。

まずは耳鼻科でSASの治療。
少し前の記事にも書いたように、喉が弱い僕はコンコンと咳をするようになっていたので、この半月はCPAPを中断していた。
前回の診察時に付けている回数が少ないと耳鼻科医から少し強い指摘を受けていたので、(また怒られるかな)と気が重かったのだが、いつもの医師ではなかったので「風邪気味だった」という僕の説明に納得してくれた。
ちなみに喉は特に腫れていないとのことだったので、この咳が風邪に移行することは免れたようだ。

次にタクシーを飛ばして大学病院へ行く。
本来の診察日は火曜日なのだが、この時期、特に忙しい僕はクライアントに大きな会議を事前の相談なしに入れられてしまい、僕の診察日を動かさないといけなくなったのだ。
耳鼻科医がいつもの医師ではなかったのはこんな理由があった。
もちろんすぐに大学病院にも電話して、診察日を変えてもらっていた。

いつもなら駐車場への入庫待ちの車が病院の外の道路にまであふれでているのに、今日はそれがなかった。
採血も待ち時間はなし。
ふっと壁を見ると、「火曜日の午前中」が一番混雑している時間帯だと言う張り紙がしてあった。
結果が出るまでいつものように院内のドトールでコーヒーを飲みに行ったが、ここでも待ち列はなし。
曜日によってここまで差があるのか、それともたまたま空いていただけなのか。

30分ほどして血液腫瘍内科の待合に行ったが、さすがにここではそこそこ混雑していた。
モニターを見ると、「現在診察中」の隣に僕の診察券番号が表示されていたので慌てて血圧と体温を計りに行く。
でもそこから結局30分ほど待たされたのだけどね。
少し前に書いたブログの記事に腫瘍内科医の勝俣先生の著作を紹介したが、「1時間待ちの3分間診察や、医療への不信感が近藤誠信者を増やす」と書いてあったのをぼんやりと思い出していた。

それにしても、今日は特に僕が朝からイライラしていたからであろうか。
・体温計、血圧計のところに足が不自由な方が利用していてなかなか空かないことにイラ
・大声で雑談に興じる患者とその家族にイラ
・待合のベンチに座っていると、さっきの足が不自由な方が大きなお尻を僕の肩にぶつけてイラ
・この足の不自由な方がまた立ち上がり、さっきとは違う腕で血圧を測りに行ったことにイラ(この時は僕に直接被害はなかったのだけどね)
と不快感がMAXに達し、(早くこの場から立ち去りたい)と、僕はベンチで頭を抱えてしまった。
この待合で待つこと約35分、ようやく僕の順番が回ってきた。
「どうだい?」「特に異常はありません」「んじゃ、薬出しとくよ。注射して帰ってね」と、今日ばかりはいつもの3分間診察を期待していた。

まず診察室の扉を開けると、いつものことだけどこの教授先生は挨拶というものを絶対にしない。
モニターから視線を外さずに、「どう?変わったことある?」というこのスタイルには1年経っても慣れることがない。
渡された血液検査の結果が記されたプリントにはほぼ全てに「検査中」という文字があって、こんなものもらったところでなんの意味もない。
肝心のCEAだって「検査中」。
教授先生は「腫瘍マーカーは横ばいだね」って言っていたが、モニターを盗み見ると8.5と見えたような気がした。
前回が7.2だったので、だとすれば微増したことになる。

次の予定を決める段になり、普通に考えれば1月9日(火)になるだろうと思っていたので先を読んで次の耳鼻科の予約も9日(火)に入れていた。
教授先生が、
「9日(火)か12日(金)かどっちかだなあ」
と言うので、
「できれば9日のほうが・・・」
と言った途端、
「あなたがよくても僕がよくないんだよ。今日だってもともとの予定を変えただろ?外来を変更するんじゃなくて、あなたの予定を変えなさい」
と言う。
言いたいことがたくさん脳内に湧き出たが、僕は反射的に文句が言葉になって出てくる性格ではない。
言われたことを何度も反芻して間違いなく自分が間違っていないと確信するまで何も言えないのだから、口げんかには全く不向きである。

その後もねちねちと、
「診察日を変えられたからランマークの予約が入ってないよ。でもね、オーダーは出しておくから、外来処置室では嫌な顔をされて待たされるだろうけど、この紙を『すいません』って申し訳なさそうに出すんだよ。」
と、責めてくる。
診察室に入る前から一刻も早く帰りたいと思っていたのに、今日は暇なのか時間を気にする素振りがない教授先生。
さらに話は僕の生活習慣のことにも及ぶ。

日々の血圧のことを聞かれたので基準よりも高かった数値を答えると、
「そんな自慢するような言い方をするんじゃないよ。」
など、ここに詳しくは書かないけど、僕を笑いものにし、人格を否定されたと感じるような言動や態度があったということだけ記しておこう。
薄ら笑い(憐れみ?困惑?)を浮かべるお付きの看護師、教授先生に同調する妻。
腹の中が煮えくりかえるような思いでいっぱいになった。

やっと教授先生から解放されて外来処置室に行くと、他に待っている患者はおらず、教授先生がくれたオーダーのプリントを受付に渡すと、待たされるどころかいつもより注射の準備が早くできた。
僕には分かっていたけど、ああやって教授先生にかまされたのである。
いつものようにランマーク、ポートのフラッシュをしてもらってお会計へと進むが、僕の腹の虫は全く収まらない。
妻には「余計なことを言って教授先生に小言のエサを与えるんじゃないよ」と八つ当たりする。
いつもなら病院近くでお昼ご飯ということになるのだが、とってもそんな気分になれない僕は真っ直ぐ自宅に帰り、以後、悔しさと意地からまともに食事を摂っていない。

今回の件だけでなく前々から考えていたのだが、これから病状がどんどん悪化していったら、この教授先生にだけは看取られたくないという気持ちがより一層強くなった。
いや、実はもうこの先生の顔を見るのも心底嫌になったのだ。
少し冷静になった今でも強くそう思う。

腫瘍内科医としては確かに一流なのだろう。
余計な検査や治療を行わないという方針も僕が望んでいるものと合致する。
僕の「ケツを叩かれないとなかなか前に進まない」というマイペースな性格からも、強いお小言を言ってくれる先生であることもありがたい。
でも、現役で仕事をしている者に事情を斟酌しないで診察日を病院に合わせろとか、人を小馬鹿にしたり、笑いものにするなど医師である前に人間として付き合いたくないし、僕が最も侮蔑する人種でもある。

今回の件ではっきりとそれが分かった。
とりあえず・・・、純粋に医師としての警告は真摯に受け止めて生活習慣を改めることに着手しよう。
転院云々はそれからの話だ。