2015.9.18(金)、治療回数は22回目となった。
敢えて遠くのゴールを見つめずに足元ばかりを見ている作戦が功を奏し、ふっと顔を上げればゴールまであと少し、残り3回で終了だ。

これまでは皮膚炎らしき副作用はなかったのだが、今朝起きた時、照射部分に痒みとピリピリとした感覚があることに気づいた。
事前に聞いていたとおり日焼け程度の違和感なので、今のところは問題ない。

治療が始まった時は、一旦会社に出勤してから病院に行くのだと意気込んでいたが、日増しに倦怠感が強まり、今は10時30分に病院に着くように自宅から直行することが多くなった。
放射線治療の副作用と言っていいのか、それとも自分の心が弱いせいなのか、いずれにせよ決めたことができないことに苛立ちを感じる。
また以前にも書いたことだが、午前中の時間が病院行きでまるっきり費やされてしまい、仕事が思うようにはかどらない。
おかげでこのシルバーウィークは仕事三昧になりそうで、これもイライラ感を助長させる原因となっている。

先日の水曜日には採血とレントゲンの検査があったが、今のところ白血球数も正常で、間質性肺炎の兆候もないとのことで安心した。
放射線治療で深刻な副作用が出ることは稀とのことだが、僕は稀な乳がん患者なので安心できなかったのだ。
治療中の診察はこれで最後になるが、一ヶ月後にもう一度検査をさせて欲しいと言われた。

放射線治療は土日祝はお休みが原則だが、この連休は21日だけ治療に行くことになっている。
すっかり顔馴染みになった放射線科のナースに、
「僕のせいで連休中に出勤させてしまってすいません」
と言うと、
「私はお休みなのよ、おほほ」と微笑まれてしまった。

放射線治療は、手術以外で唯一完治を期待することができる治療法だと聞く。
安全性は確立されているのだろうけど、確かに電子レンジや胸部X線の何倍ものエネルギーを浴びるというのは気持ちのいいものではない。

咽頭がんになった坂本龍一氏は、原発反対の立場から放射線治療を拒否したというのをニュースで見たが、理解できない話でもない。
もっとも僕にはそんな侠気を持ち合わせてはいないのだが…。
 
<2021.12.2追記>
坂本龍一さんの「放射線治療を拒否する」というお話は、スポニチの誤報であることを知りましたので、追記修正させていただきます。
坂本龍一さんは治療法については公開をしておりませんが、「放射線治療を拒否した」と言う報道は誤解であることを明言されています。