こういうワードでネットを検索すると、
○ ストレス
○ 体の冷やし過ぎ
○ 太陽光に当たり過ぎ
○ 乱れた(食)生活
○ 飲酒/喫煙
と、さまざまな理由をすぐに見つけることができる。
癌になった患者は、
「何で癌なんかになっちゃったんだろう」
と、一度は自問自答するに違いない。
僕の場合は、ちょうど今の会社に転職した平成14年にNK細胞が癌細胞にやっつけられ始めたのだろうと思っている。
今の会社に転職したその年、一億円規模の大型の仕事が突然僕のところに転がりこんできて、かつ3ヶ月後に迫っていたその仕事は僕にしかできないものだった。
大きなお金が動く仕事には既得権益にしがみつく輩がいる。
「たいちで本当に大丈夫なのか。あいつは信用できないから我々は彼に協力できない」という業界関係者からと思われる匿名の脅迫状が社長宛に届いたこともある。
後日、ある警察の幹部は、
「あの時のプロジェクトを僕が担当することで腹を切る覚悟をした」
と言っていたし、そんな周りからのすさまじい重圧の中、睡眠、休日を返上してなんとかそのプロジェクトをやり遂げた。
おかげで僕の名は社内はもちろん、一気に業界中に広まったのだった。
しかし同時にストレスという相当なダメージを体に与え、弱っていたところに癌細胞が次々に増殖していったのだろう。
それが告知からちょうど10年前のことであった。
当時は煙草も酒も普通にやっていたし、本能の赴くまま好きなものを食べていたので、胃がんやら肺がんだったらまだ納得できたのだが、なんでそれが「乳がん」になったのか未だに解せない。
2017年6月9日のHUFFPOSTに「がん発症原因の大半はDNAの複製エラー」というタイトルの記事が載った。
そこには、
「環境要因や遺伝要因ががんリスクに及ぼす影響は、研究者が考えているほど大きくないかもしれず、生活様式の選択を変えるなどによって防止できない。」
とあり、そうであれば癌との戦い方がこれまでとはがらっと変わることになる。
上に書いたような
○ ストレス
○ 体の冷やし過ぎ
○ 太陽光に当たり過ぎ
○ 乱れた(食)生活
○ 飲酒/喫煙
といった体の外に癌になる原因があるとすればそれを防ぐ方法は明らかだが、癌になった人の3分の2が体の内側にある原因によって発症したとするならば、全く異なった戦略が必要となる。
細胞が分裂するたびにそのDNA複製過程でエラーが生じる可能性があるのは周知のとおりで、研究者らが導き出した結論は、
「臓器の幹細胞の分裂回数の違いが、その部位にがんが生じる頻度と相関する」
というものだった。
つまり、それほど一般的にがんが見られない脳などの部位では、一般的にがんが見られる大腸などの部位よりも幹細胞の分裂回数が少ない、ということである。
それでは「いくら癌予防に取組んだって意味はないの?」ってことになるが、それはそれで否定はしないらしい。
癌を引き起こす変異の数は2つ以上が必要で、そのうちの一つが環境要因とするならば、癌は完全に予防することができる・・・とある。
32種類の癌について計算したところ、
・ コピーエラー・・・66%
・ 環境要因・・・29%
・ 遺伝要因・・・5%
であることが示された。
つまり、コピーエラー、環境要因、遺伝要因のうち、二つの変異で癌が発症するというわけだ。
【まとめ】
この結果によるならば、「癌になってごめんね」なんていう罪の意識を感じる必要は全くない。
冒頭に書いたとおり、ネットでがんになった原因を検索すると生活様式や遺伝子によって引き起こされた・・・という答えが多いが、
「がんは何をしていたとしても発症したのだと理解する必要があります。がんというすでに困難な状況に、罪の意識を加える必要はありません」
と、この記事は結んでいる。
つまり、癌になったのは「運が悪かった・・・」程度の理由でしかないというわけだ。