術後のホルモン療法としてタモキシフェンを処方されていたが、2017.1.17に転移が判明したことで無効と判断され、 アロマターゼ阻害薬のレトロゾールに変更になった。


タモキシフェンは2015.4.23から飲み始めたので2年弱お世話になったことになるが、巷で噂されているようなホットフラッシュなどの目立った副作用は僕には現れなかった。
そんな思い込みがあったので、レトロゾールに変更になっても副作用のことなど全く頭になかったのだがどうもここ最近の体調がよくない。
この体調の悪さを心因性のものだと結論づけた僕は、かかりつけの心療内科で「抑うつ状態」の診断をもらったことを以前の記事で書いた。
(参考記事:「330 抑うつ状態につき・・・」)

僕の自宅には簡易血圧計があって体調が悪くなってから時々計っているのだが、いつも150~170/100~120と高い。
もともと高血圧気味だったけど、ここまで高くなったのは初めてのことだ。
ネットで検索してみると血圧が高い状態が続くと脳圧が高くなり、嘔吐中枢を刺激して吐き気を催す場合があるらしい。
心筋梗塞や脳梗塞の前兆状態としても注意が必要だとある。
僕の吐き気やむかつきは記事を書いた6月下旬よりも前からあったので、ひょっとしたら血圧が高い状態もすでにあったのかもしれない。

ある日ふっと、「もしかしてこれってレトロゾールの副作用なのでは?」という疑念がよぎり、ネットで調べてみた。
国立がん研究センター中央病院 の「ホルモン療法の手引き(アロマターゼ阻害薬)」から副作用の項目を引用すると・・・。

○ ほてり・多汗
「顔や体が部分的または全身的にのぼせるように熱くなったり、 汗をかきやすくなることがあります( 4~16%)」
 
もともと僕は体温が高いほうだが、それにしても暑い。
ホットフラッシュのようにかーっと暑くなって滝のように汗が流れる場合もあるし、体内に熱がこもったかのように汗が止まりにくい時もある。
45年間生きてきて「あれ、なんだかおかしいぞ」と思えるような暑さなので、もっぱら季節のせいばかりではないようだ。

○ 間接痛・骨粗鬆症
「指などの関節にこわばりを感じたり、肩やひじ、ひざなど体の 節々に痛みを感じることがあります(1~3%*1)。また、骨が
もろくなり、骨粗鬆症や骨折が起こりやすくなる場合がありま す。 」

関節痛は早くから発現していた副作用だが、ここ最近は体が慣れたのか、飲み始めのころよりは「ぎしぎし」という感覚はマシになったような気がする。
腰が一番辛いが、これは骨転移が関係しているのかもしれない。
骨粗鬆症は骨密度の検査を受けたことがないので分からないが、骨転移が判明した時にカルシウム製剤を処方してもらっているのでこれ以上の予防策は今のところないだろう。

○ 脂質代謝異常
「血液中の脂質、特にコレステロールとトリグリセリド(中性脂肪)の値が高くなる可能性があります(0.2~9%)。」

先日も健康診断を受けて血液検査をしてもらったが、これは僕にはあてはまらないようだ。

○ 心血管系への影響
「血圧が高くなる可能性があります。また、心筋梗塞 、心不全な ど心血管系への影響が指摘されています。」
これですな。
もともと血圧が高かった上にこの薬を服用したことにより、さらに高くなったと思われる。
他にも、製薬メーカーのサワイが発行している「レトロゾール錠「サワイ」の治療を受ける患者さんへ」を見ると、頭痛や吐き気も主な副作用として挙げられている。

というわけで、犯人はレトロゾールの可能性が高まった。
とはいっても、レトロゾールは僕の命をつなぐ薬でもあるのでおいそれと中止するわけにはいかない。
一時期25.4まであったCEAが、2017.7.3の時点で11.0まで下がっているのである。

しかしまあこの吐き気くらいはなんとかしたいと思い、降圧剤の処方を求め、今の大学病院ではなく手術を受けた病院で内科を受診したが、主治医(教授先生)とよく相談してください・・・と薬は出してくれなかった。
予想された結果ではあったけどね。
教授先生が気難しい人でなければすぐにでも相談に行くのだが、前に教授先生の機嫌の悪さを経験している僕は、それがトラウマになっていて気軽に診てもらうことができないのだ。


困ったものだが、これから先どんどん悪くなっていくと言われているので、こういう心配ごとがあった場合はどうしたらいいのか、次回の受診時にきっちりと聞いておこうと思う。

犯人が分かったところで体調の悪さからは全く解放されてはいないのだが、レトロゾールの副作用の可能性が高いということで記事にさせてもらった。
ホルモン療法とうつとの因果関係は今の所認められていない(日本乳癌学会 患者さんのための乳がん診療ガイドライン2016 Q60)ようだが、ホルモンをコントロールしている以上全くその可能性がないわけでもなかろう。
僕の抑うつ状態もひょっとしたらこの副作用とは別にあるのかも知れないが、前にも書いたように休職するわけにもいかず、デパスを飲みながら気張るしかない。

旅行やお芝居を見に行って人生をめいっぱい楽しんでいるように思えるかもしれないが、毎日毎日言いようのない心労や体調の辛さがあるのも事実。

この暑さじゃヅラだって辛い。
記事にすると書くほうも読むほうも気が滅入ってくるので一々書かないけどね。