今の歯医者さんに通うようになったのは2009年のことで、今年で8年目になる。
(参考記事)「113 歯医者が乳がん発見の糸口に!?」

 

僕の病院嫌いの中でも特に歯医者は最たるものだったが、詰め物が取れてどうしようもなくなってあきらめて受診したところ、当たり前だが僕の歯の衛生状態は相当ひどかったようだ。
反省した僕は心を入れ替えてこれを機に全ての虫歯を治療し、それからも半年に1回の歯石取りを欠かさず行っていた。

2016年の単身赴任の時は、まさか赴任が1年で終わるとは思っていなかったので単身赴任元の歯医者さんに別れを告げた。
単身赴任先の家の近くに良さそうな歯医者さんを見つけたのでこれからの歯石取りをお願いしたところ、検査で新たに虫歯が見つかったり、その後も詰め物が取れたりして心ならずも本格的に治療することになってしまった。
欠かさず歯石取りを行っていたのに虫歯が見つかったことでショックを受けたのだが、 保険診療である合金(銀歯)の耐久年数は5年~10年と言われており、どんなにお手入れをしても仕方のないところもあるようだ。
合金だと隙間から虫歯菌が入り込み、詰め物の中に虫歯を作ることがよくあるらしい。

ご存じのとおり、詰め物には金やセラミックといった種類があるが、保険が効かないのでべらぼうに高い。(1本5万~10万!)
折角虫歯を治しても安価なインレーだとまた同じように虫歯になる可能性があったので、金かセラミックを勧められた。
しかし、僕の歯はよく摩耗していることから噛む力が強く、またどうやら寝ている間に歯ぎしりをする癖もあるようで、セラミックだと割れてしまう可能性があるらしい。
しかしステージⅣの身分としては高価な歯を入れても無駄になる可能性を考え、迷ったあげく、今回も安価な合金にしてもらった。

さて、単身赴任から戻ってきてからはまた元の歯医者さんに通うことになったのだが、読者の皆様はご存じのとおり、僕は腰椎への骨転移を指摘されてしまった。
そして2017年5月からランマークの注射を打つことになったのだが、これには骨粗鬆症や顎骨壊死などの副作用があることから歯医者さんには言っておかなければならない。
ちなみに歯医者さんには僕が癌になったことをまだお話していなかった。

2017.6.20
この日は有休を取って朝一番に耳鼻科へ行き、歯医者さんには午前診療の一番最後の時間を予約してあった。
この歯医者さんに通い始めた頃は勤務時間中に抜けられるようにと職場近くの歯医者さんを選んだのだが、休みの日に会社近くまで出かけなければいけないとは皮肉なものだ。
ヅラのことさえなければ勤務時間中に抜け出すのだが、
○ ヅラをかぶっている会社
○ ヅラを脱いで行かなきゃならない歯医者
と、細かい説明はしないけれど、ヅラメンには余人には理解し難い苦労があるのだ。

さて、歯医者の受付のカウンターの下には日本歯科医師会のポスターが貼ってあるのは以前から知っていた。
そこには、「ビスフォスフォネート(BP)製剤をお使いの患者さまは、歯科医師にお伝えください」とあり、薬の一覧表が載っていた。
願わくばこのような薬を使わなくてもいいように・・・という当時の思いは、今ではもう虚しく感じる。
参考記事:「114 歯医者が乳がん発見の糸口に!?〈余談〉」

僕が5月から注射しているデノスマブ(ランマーク)はこの表の中にはなかったが、BP製剤と同じ副作用があるので先生には言っておいたほうがいいだろう。
名前を呼ばれて診療室に入り、指定されたユニットに座ると、若い女性の歯科衛生士さんが「お変わりありませんか?」と声をかけてくれた。
「大丈夫なんですが、実は先月からデノスマブという注射を打つようになってしまいまして・・・。今日の治療には関係ないかも知れませんが、先生にお伝え願えますか?」
と言うと、初めてその名を聞いたのか、
「デ・・デ・・デノ・・スマブ・・ですか?それは骨粗鬆症のお薬ですか?」
とたどたどしく聞き返されたのが少し笑えた。

今日のスケーリングには関係がないのでと、予定通りレントゲンを撮り、そしてそのまま歯のクリーニングをしてもらった。