もう教授先生から先日の縦隔リンパ節生検の病理結果についてはお聞きしていたので、必要のない診察になってしまったのだが、もともとの予約が入っていたので再び大学病院を訪れた。
それに呼吸器内科で1、2位を争うと言われるほど苦しい検査を上手に行ってくれたことに対してお礼を申し上げなければならないし。
2017.1.19
13:00前に病院についた僕は、事前に言われていたとおり受付に声をかけた。
どうやら今日は本来先生の診察日ではなかったようで、わざわざ医局から下りてきてくださった。
診察室に入り、まずは先日の検査のお礼を言ってから椅子に腰かけると、先生は少し慎重気味に、
「お話は教授先生から伺っていますか?」
とお聞きになった。
ステージⅣの宣告になるので、安易にお話することを避けようと思ったのだろう。
僕は、
「乳がんの遠隔転移に間違いないだろうということは聞いています。」
というと、少し緊張を緩めて以下のようなお話をされた。
○ 病理検査の結果、乳がん由来の腺癌であることが分かった。
※ 腺癌は分泌腺組織に発生する癌であり、乳房以外にも肺、肝臓、リンパ腺、胃などあらゆる臓器に発生するものだが、僕の場合は全身スキャンして他臓器には所見がなかったことや、初発の乳がんを考えると、乳がんの転移であると考えるのが自然だということらしい。
○ 右肺の影は今回の検査の目的外なので検査はしていないが、ファイバースコープを通すことができる肺の奥のほうまで進めて写真を撮ったが特に所見はなかった。
○ リンパ節1個丸ごと取ったというわけではなく、その一部を切除して吸引した。
とのことだった。
<ファイバースコープで撮った僕の肺。一見たくさんの豚の鼻のようにも見えるが、主気管支から葉気管支、細気管支の分岐部分が映っている。人間の体ってよくできているんだなぁって改めて感心。>
そして本当はやっちゃいけないのだが、記念撮影と称して病理結果の写真をパチリ。
教授先生の診察の時にもちらっと見たのだが、もともとFISH法で+3だったHER2は+1に変化したことが見て取れたので、教授先生はケモにハーセプチンが使えるかどうか再度病理医に確認してみるとおっしゃっていた。
Ki-67の5%というのは喜んでもいい数値だろう。
画像の撮り方がまずくてよく見えないかもしれないが、大したことは書かれていない。
英語で書かれた病理診断は、
「乳がん由来の腺癌だった」
書かれており、所見にも
「肺がん由来というよりは乳がん由来と考えます」
と同じことが書いてある。
ホルモンレセプターについても記述があるが、TAMが使えなくなった僕にはあまり関係ない。
※ 男性乳がん患者へのアロマターゼ阻害薬投与の臨床データがほとんどないので。
呼吸器内科の先生は僕よりも若く見えるが、とても優しい先生だった。
妻は例のごとくあれやこれやと質問していたが嫌な顔をせず、一つ一つ親切にお答えいただいたし、できることは何でもするのでいつでもいらっしゃいとも言ってくれた。
今の妻にはこんな優しい先生の言葉が必要だ。
また血液腫瘍内科の教授先生は癌の分野では有名な先生でもあるので、これからも安心して前向きに治療を続けてくださいと、僕たちを送り出してくれた。
というわけで、再発疑惑が確定したのでこの記事を最後に「再発疑惑」シリーズは終わりにし、新たに「再発治療」のカテゴリーに移るとする。
と言っても、当面は前回にも書いたようにフェマーラの効果測定と定期的な血液検査とCT撮影くらいだろうけど、また体調に変化があれば都度ご報告したい。