「242 激痛!陥入爪手術(その8)「インフルエンザと切らない医師との再会」」の記事でアップしたように、ケモ由来の陥入爪がなかなか完治せず、思い出したように血液交じりの膿をじゅくじゅくと吐き、不良肉芽を作っては僕に激痛を与え続けている。
2015.6.8の記事にはすでに陥入爪の痛みを日記に書いているから、陥入爪との長くしつこい戦いも1年半が経過したことになる。
摘出手術を受けた病院の皮膚科の医師は、
「ケモの副作用である陥入爪は処置を致しません」
というスタンスを貫きとおして何の処置もしてくれず、転院(今の大学病院)してもなんの因果かまた処置をしてくれない同じ医師が担当(この医師は大学病院から派遣されていた)になるなんて何かに呪われているとしか思えない。
ケモの施行に備えて陥入爪からの膿出を止めてもらうよう皮膚科を受診するように勧めてくれた主治医である教授先生に、
「何にも処置してくれませんでした」
と恨みがましく言いつけると、
「何にもしてくれないんだったら、町医者にでも行って切ってもらいなさい」
と、教授という白衣の権威はやっぱりテレビの世界だけにあることを思い知った。
しかし今までは「経過観察」を指示されていたので従順に従ったまでで、教授先生が「町医者にでも行ってきなさい」と言うのなら大手を振って町医者に行き、この陥入爪との戦いに本当に終止符を打ってやろうという気になった。
痛い足親指へのキシロカイン注射もこれで最後、ケモ前の足親指を取り戻すのだ。
近所のスーパーで、
「あそこのお医者さんは巻爪の処置がお上手」
という主婦の噂を聞きつけた妻が勧めてくれた町医者は、自宅から歩いて10分ほどの距離にあった。
2016.12.26
大学病院での呼吸器科の診察の帰りに、16:00からの午後診の30分前に受付を済ませた僕は、足親指へのキシロカイン注射への覚悟を決めるため、一人待合室で心を鎮める深い瞑想に入った。(だって痛いんだもん)
やがて16:00になって1番に呼ばれた僕は、診察室で初めて顔を合わせる医師に病気のことやこれまでの治療歴、過去に施してもらった処置についてお話をさせてもらった。
しかしじっと話を聞いていた先生のお話は僕にとって意外なものだった。
○ (僕が履いているスポーツシューズを見ながら)この陥入爪はケモの副作用ではなく、なるべくしてなったものだ。
○ ケモが終わってから1年半経過しているのに陥入爪が治らないのが何よりの証拠だ。
○ この靴の履き方が足親指の皮膚を圧迫して爪を食い込ませているのだ。(と、先生は自分の腕を足親指に、プレパラートを爪に見立てて実演する。)
○ (爪の周りの色を見て)爪囲炎になった形跡はあるけど、これは今はもう治っているようだ。
○ 昨今の医学はなるべくなら取らない、切らないという考え方が主流なので爪は切りません。
ということだった。
僕は、
○ ケモ以前は陥入爪になったことがなく、アブラキサンの時は手や足の爪が爪床剥離になって大変な目にあい、ケモが終わってから新しく生えてきた爪も以前より歪んで生えてきたので、これは明らかにケモの副作用であること。
○ 毎日このスポーツシューズを履いているわけではなく、サラリーマンなので普段は革靴を履いているから靴の履き方が悪いせいだとは思えないこと。
○ この1年半もの間、膿出のために毎日絆創膏を貼り、階段や下り阪では何かにつかまっていないと激痛で普通に動けず、経過観察以外の何らかの処置がすぐに必要であること。
○ 単身赴任先のクリニックでは爪母からまっすぐ切ってもらい、そこは再発していないこと。
など懸命に訴えたが、先生も頑固で自説を曲げようとしないので僕も説明することを諦めてしまった。
何より医者の機嫌を損ねるとこちらの心理的ダメージも大きい。
それでも先生が行ってくれた処置は、インターネットで検索しても出てくるが、いわゆる
「爪が食い込んだ部分にガーゼのようなものを挟み込んでクッションにする」
というものだった。
チョンと触れただけでも激痛が走る右親指の爪をピンセットで爪を持ち上げて、予め小さく切ったガーゼを挟み込んで処置は30秒ほどで終了。
このままお風呂に入ってもいいし、薬を塗る必要もない。
年明けは6日からやっているのでまた来てください・・・とのことだった。
二人の皮膚科が切らないという判断をしたということは、やっぱりそれが正しい判断なのだろうか。
いやいや、どう考えても最初の皮膚科医は明らかに面倒くさがっていたし、この皮膚科医もアブラキサンの副作用を理解しているとは思えない。
しかし自分では激痛過ぎてできなかった「ガーゼクッション」の効果は大きく、今までの痛みがウソのように一瞬に消失した。
しかし、これで炎症が引いてもクッションとなるガーゼを外すとまた爪が食い込んでしまい、根本的な治療にはならないのではないだろうかという疑問は残る。
ガーゼは取り替えなくてもいいとのことなので、ガーゼを挟み込んだ部分が不潔にならないかという心配はあるが、先生は次の処置はどのように考えておられるのだろうか。
まさか一生ガーゼを取り換えるだけの処置になる・・・なんてことにはならないとは思うが、引き続き進捗をアップしたいと思う。