僕はあまり外に向かって愚痴を吐くタイプではないのだが、ここ最近、分厚い黒い雲が心を占めている日が多く、自分でもよく原因が分からないので、自身の心を整理してみる意味で書き綴ってみる。

1 心身の疲れ
昨年10月からの単身赴任に伴う引越しをし、新しい環境下での仕事が始まる。
久しぶりの一人暮らしで、洗濯、買物、掃除など全てを自分でやりきらなくてはならない。
12月から2月下旬にかけて大きなプロジェクトがあって毎週のように出張し、休みはしっかりとれているものの精神的、体力的に慢性的な疲れを感じている。

2  体調
陥入爪のおかげで歩くたびに鋭い痛みを発するため、老人のようにトボトボとしか歩けない。
手の爪も脆くて容易に欠ける。
特にYシャツのボタンがなかなか留められず、朝の時間はいつも焦っている。
思うように動けない苛立ちをデパスを飲むことで抑えているが、僕に近しい人は機嫌が悪い僕の直撃弾を食らっているはずだ。

3 頭髪
ラストケモから間もなく1年なのに、髪の毛が思うように復活せず、脱ズラのめどが立たない。
脱毛した方がケモを卒業してから1年を待たずに脱ズラされるのを聞くと、自分を呪いたくなる。

4  遠隔転移のこと
ふと気がつけばそのことを考えている自分がいる。
そう、縦隔リンパ節のことだ。
腫瘍マーカーの上昇~x-pで影の指摘を受け~PET-CTでは繁華街のネオンのようにきらめく全身~余命宣告~身辺の整理~入院~寝たきり…という情景が繰り返し繰り返しまぶたに上映されている。
自分のメンタルが弱いことは小学生の頃から分かっていて、それ故昔から強い人に憧れてきた。
「克己心」なんて言葉は大好きなのだが、自分に勝ったことなんて数えるほどしかない。

ここ最近のストレスを総じて言えば、自分の思ったとおりに物事が進まないことが原因だろう。
けど、かといって物事がうまく進めばそれはそれで不安材料になる。
全くもう無限ループに陥ったようで、何をしても何を見ても面白くないし、まるで心が能面をかぶっているようだ。

一人でいるとハラハラと涙をこぼすこともあって、これは前にも経験したことがあるが、きっと鬱の2~3歩手前の状態なのだろう。
心療内科でもらうデパスが唯一の救いだが、これはあくまで対症療法。
いくら薬を飲んでも現実は変わらない。

お亡くなりになった竹田圭吾さんのツイッターに、
「どれだけ治療が順調で、家族に寄り添われて、友人や仕事仲間に励まされても、孤独からは絶対に逃れられない。病状が進めばさらに深まる。」
との言葉は、まさに癌患者ならではのものだ。

満々と僕の心の中にたたえられた孤独は、砂で出来たダムでかろうじてせき止められているが、ちょっとした刺激で一気に決壊する危うさを持っている。
決壊した後の凄まじい虚しさは容易に想像がつくだけに、今は必死になって日々傷ついた小さな穴を塞ぐ毎日である。